メリダプレスキャンプレポート 〜メリダのロードバイクを乗って比較〜

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あくまで一般ライダー程度の私の走力と感性をもとにした感想ですから、オフィシャルなインプレでは無いことを考慮してください。

「REACTO EVO」
このバイクは大きなギアで乗ってこそ活きる感じがしました。これは重たいギアという意味よりは、やや大きめのギアに入れて乗る人という意味の方が正しいと思います。つまり、軽めのギアでスコスコ回すだけではフレームとタイミングが合わず、進んでいる感じが少ないと思います。また逆に重たいギアと言っても、上死点と下死点で出力のデッドポイントを作ってしまうほどになってはダメです。おおむね、硬めのフレームでこれをやると余計に硬いと感じますし、フレームが硬いと感じる場合のほとんどはこのケースだろうと思います。つまり、硬いフレームほどライダーが効率よくペダリングすることが出来るケイデンスの“おいしいところ”を絞ってしまう傾向にあります。

この範囲に関しては、自分でなかなか気がつきにくく、”何キロ出ている”というのを瞬間的に捉えてしまったりするので、自分はどのくらいのケイデンスでペダリングする方が効率的だと把握している人は少数でしょう。

今回、テストバイクにはQ-RINGSと同社のROTOR 3D+クランクが装備されていました。この劇的に硬いクランクと楕円リングによって、その効率的ケイデンスの範囲はさらに絞られましたので、通常のクランクと真円リングの方がより多くの人にマッチするのでは無いかと思います。

私は今回Q-RINGSとの相性が良く、1日目の後半から2日目に至っては、全く楕円であることを感じていません。これはそもそもペダリング時に上死点と下死点で出力のデッドポイントを作りにくい傾向だからでしょう。ちなみに、効率の良いケイデンスの範囲を上にも下にも超えてしまった場合、楕円であること感じましたし、角度あたりのペダリングスピードが変化してしまったことを書いておきます。違和感が無いからと言って、私にとって良い機材かどうかとは別の話ですが、たったの2日ではこのQ-RINGSが良かったかどうかは謎のままです。以前使ったときは使い切れずにどっかに放ってしまいましたが…

ケイデンスが早すぎる場合にはパワーを乗せている時間が短く、フレームはたわまず、進む感じがしませんでした。逆に重たい場合には、ケイデンスが早い場合よりも印象が良かったですね。つまり、速度が30キロに満たないようなケースで走ることはほとんど考えておらず、その上のスピードに乗せてからの上げ下げに合わせているのだと思います。SCULTURAの方がゼロに使い速度になった場合、あるいはケイデンスを早くして漕ぐようなスタイルには良いのでは無いかと思います。対してRIDE PROでは、SCULTURAの傾向を軽くしたような感じなので、私のように90〜93くらいのケイデンスでじわっと漕いでいくタイプにはREACTO EVOが良いようです。総じて言えば、距離を走っても最後まで掛かりが良いという感じですね。SCULTURA SLでは最初の3漕ぎくらいは掛かるんですが、その後の伸びはREACTOに劣りますし、疲れてきたときにもREACTOの方が掛かる感じがします。

REACTO EVOは踏んでしまうペダリングをする人にはなかなか硬いという印象でしょうし、重たく感じるギアを軽い方へ軽い方へとシフトしてしまうのだろうと思います。ゆえ、そんな方にはSCULTURAやRIDEシリーズをおすすめします。巡航速度の速くない人も、です。ロードレーサーをレースやそれに準じた走り方で、なおかつ比較的上手なペダリングをすることができる方にはREACTO EVOが良いと思います。

登りをサクサク行きたい方にはSCULTURAですね。ロングライドなどで後半のきつい登りなどでは有利な点が多いと思います。またそれぞれのハンドリングはそれに適したフィーリングですね。REACTOの方が前へ行く傾向が強めで、SCULTULAの方がペダリングに合わせてバイクを振りやすいと思います。

前作REACTOより今回のEVOは大変乗りやすくなっていたことを書き加えておきます。よりオールラウンドな性能を発揮することが出来るようになっており、SCULTURA SLを使用しないというランプレメリダの選択にも頷ける気がしました。前作はちょっと重たく感じることが多かったですから…。

走る時間が1時間だけであれば、一時期に出現した超軽量バイクに乗りケイデンスは早ければ早いほどよいというようなスタイルが好まれるかも知れませんが、長時間のライディングにおいては、効率が大事です。それゆえ、人間として科学的に効率的なペダリングを好むバイクに仕上がったのでは無いかと思いました。

REACTO EVO、今のレースバイクとして大変真っ当な仕上がりになっています。是非乗ってみてください。大変良いバイクです。

また、同クラスのエアロロードと比較した場合、シートポストのたわみは約2倍になっており大変快適性も高いです。これはシートピラーがいわゆるISPではなく、シートチューブと同形状のピラーを上げ下げするシステムになっている点も影響しているだろうと思います。