”Made in JAPAN”は死んでいません「MIYATA JAPON」

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THE BIKE JOURNALは海外バイクメーカーを取り上げることが多いメディアですが、今回取り上げてくれたのは日本のミヤタサイクル。

今最近に自転車への興味を持った方にはなじみの薄いメーカーだと思いますが、その歴史は日本の中で最も古く、創業は1890年。どのくらい古いのかよくわからないと思います。

1890年というと明治23年、大日本帝国憲法発布の翌年であり、日清戦争開戦の4年前。まだまだ軍国主義の世の中で、東京築地鉄砲洲にあった外国人居留地に住む外国人が宮田製銃所に最新の安全型自転車を持ち込み、修理を依頼したところから始まります。そして、宮田製銃所から始まったミヤタの歴史は鉄砲から自転車へと変わり始めます。

ちなみにかのコルナゴが誕生したのは1954年、ブリヂストン自転車は1949年ですから、ここから50年以上も後の話です。日本で最初の恐慌となった1890年恐慌と重なったことは偶然ではないのでしょうね。上手いことをすれば戦争特需で儲けられそうな気もしますが、根っからの技術屋だったミヤタは産業革命を拒んでいたかのようにも思えます。

ミヤタというとツールドフランスを制した唯一の国産車として有名なのですが、それ以上に私が感じるのは技術屋、職人としてのミヤタの姿。ミヤタこそが自転車だと心底思われている職人が工場の中にはずらりと並んでいそうなそんなイメージ。

創業は大変古く、自転車の他にはバイクの生産も行ったミヤタであるけれど、どちらも日本の工業史の中に刻まれるほど深いものではなく、知る人ぞ知る存在であるのは現在の姿かも知れません。

しかし、そのスピリットをもう一度茅ヶ崎の地で復活させよう、ミヤタがこれまで培ってきた技術の粋をもう一度世に出そうと数年前からリリースしているのが、今回紹介されている「MIYATA JAPONシリーズ」。

というわけで、詳しいところはTHE BIKE JOURNALをご覧頂きたいと思います。

メイドインジャパンの情熱。MIYATA JAPONストーリー Vol.1(全5回を予定、THE BIKE JOURNAL)
メイドインジャパンの情熱。MIYATA JAPONストーリー Vol.2(THE BIKE JOURNAL)
メイドインジャパンの情熱。MIYATA JAPONストーリー Vol.3(THE BIKE JOURNAL)

追伸:
実はTHE BIKE JOURNALのNMBさんがこの工場を見学出来たと聞いて、私は大変悔しいのです(笑)

だって、「ミヤタサイクルの茅ヶ崎工場のMIYATA JAPON製作現場を見学させて欲しい」と何度か申し出ているのですが、理由は定かではなくどこかで止まってしまっているようで、まだ実現できていないからです。

メリダを輸入している代理店としてのミヤタサイクルはメーカーであり、そうでなない。そう、微妙な立ち位置。きっと、古くからミヤタサイクルとしての技術を最高であると確信し、それに基づくプライドを纏って生きてきた技術屋の想いに感情を巡らせれば、「それは見せないと意味がない」と思うわけであります。

単なるエンターテインメントとしてではなく、ライターがちょちょいと書いたような機材や新製品紹介ではなく、しっかりとミヤタサイクルの歴史を知ってもらうためになる今回の記事が書かれて大変うれしく思っています。

私は機械や技術という言葉が好きで、どうもノスタルジーに浸ってしまう癖があります。現在では馬鹿馬鹿しいことかも知れませんし、良いことばかりではないかも知れません。もっと、今の時代に合わせた形にすべきだと。でも、技術はやはり人なんです。「どんなに工作機械が発達しても、その機械を作る人の技術以上のものは出来ない」と大学の先生に言われショックを受けたのを覚えています。今は何でも機械で作ると言いますが、それを作っているのは人なんです。

現在、MIYATA JAPONを製作してらっしゃる職人はただ1人だと聞いています。
※Facebookでその姿が一度だけ映ったことがありますよ

そして、MIYATA JAPONを受け継ぐ人間は今のところいない、とも。むしろ、いてもそれはMIYATAではないのかも知れません。それもMIYATAの考え方なのかも知れません。ビジネスとしてはあり得ない選択かも知れませんし、なぜ育たなかったのかという想いもありますが、私は(こう言っては失礼ですが)いずれは消えゆく技術の灯火はまだまだ灯っているんだという事実を目にしたかったのです。

また、MIYATA JAPONを購入し、乗られているユーザーの方にも見て欲しいと思い、何度かそんな要望をお伝えしました。

もしや、職人自身が見学を望んでいないという可能性もありますね…それはそれで深い想いを感じます。

実際に見ることが出来る日を望みますし、自転車人生の中でこれは乗っておかないと、手元に置いておかないとと思わせる「MIYATA JAPON」だと思います。

※日本製、技術、スチールというとBSネオコットを思い浮かべる方もいらっしゃると思いますが、お店でもはっきり申し上げているとおりでネオコットは大量生産品です。工業製品です。そこは全く違う世界ゆえ、私はMIYATA JAPONと同じスケールの上で比べるべきではないと思っています。

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