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ボトルケージを装着する際、携帯用工具を使って作業される方も多いようですが、それは失敗の元。
失敗するかも知れないという予測をされていないがゆえでしょうが、あの部分は作業を失敗しやすい箇所の1つです。
ここはネジであると認識されていると思いますが、正確には異なります。スレッドが切ってあるのは確かなのですが、ブラインドナットというものをフレームに固定してあり、ナット部分にネジが形成されていますから、フレームにはただの穴が空いているだけです。
ブラインドナットはフレームの穴に対して正しい公差のものを使う必要があります。それを縦方向につぶすことでナット部分が拡がり、フレームの穴に固定されます。
ここで察しの良い方はお気づきかと思いますが、ボトルケージ等を取り付けない状態でこのナットにネジを入れ、強く閉めた場合にどうなるのか…と。軽く固定された程度以上に締め付けた場合、ネジとナットの摩擦によってナットとフレームとの間に力が伝わります。つまり、フレームに固定されているナットを回そうとする力が働きます。このまま締め付けますと、フレームから固定が外れてしまいます。
また、正しくネジをいれ、ボトルケージ等を締め付ける際にも必要以上に締め付けますと、ナット側のスレッドが破壊される可能性が高い箇所です。なぜなら、最近はカーボンフレームが一般的になりこのナットがアルミ製であることが多く、それに対して強い力を加えると簡単に破壊されてしまう可能性が高いからです。あるいはごく少数ですが個体によってもともとナットの固定が比較的甘い場合も存在しますので、その場合には余計に起こりやすくなります。
ただ、多くはネジを斜めに入れてしまうことでナットに大きな力をかけ、フレームとの固定を外してしまう、あるいはアクセサリ固定の際にネジを強く締め付けて雌ねじ側を破壊してしまうという2つのパターンがほとんどです。
この箇所は上記のようにトラブルが多いですから、お店にいる我々でも締結時には注意をしています。また、度重なる着脱に際してどの程度耐久性を持っているのかについても大変注意が必要です。普通のネジではありませんから、何度も外して付けてを繰り返せばフレームへの固定が甘くなります。
新車を購入され、ボトルケージなどのアクセサリを持ち込まれ、ご自身の作業により店内で装着される方がいらっしゃいますが、それを見ているとヒヤヒヤしますね。携帯工具で作業される方も多いですし。老婆心から「それだと失敗しますよ」と声を掛けるのですが、実際には工賃を頂いておりませんので作業はいたしません。「それくらいやってくれてもいいじゃない」と思われるかも知れませんが、そんな”簡単にみえる作業”であっても内部の構造を知っているかどうかで注意すべき深さが変わると言うことですね。ケチじゃないんですよ(笑)
ボトルケージなどのアクセサリは形状が様々ですから、携帯用工具が正しく使用できる状況が限られますので、ネジを斜めに入れたりする可能性も高そうですね。
まずは普段の作業ではちゃんとした工具を使って下さい。ホームセンターで売っているような安物はダメです。さらに、内部構造を知って頂けると作業にミスが少なくなりますよ。そして、工具は通販ではなく工具屋さんで買いましょう。どんな作業をしたいか言えば、丁寧に教えてくれるはずです。
という、意外と知られていない情報でした。
本来はこういった情報も知らずに作業して、まずは失敗してもらうことも大事なんですけどねぇ。
RT @bicidimattino: たかがボトルケージ、されど…。: http://t.co/B7d8cy5Zxd
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