サイクルスポーツ5月号を買うのを忘れてた

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小笠原崇裕のOGA-STYLE
ホイール対決パート2
http://oga.bikejournal.jp/?p=1328

サイスポ5月号はホイールインプレPart2でしたね。忘れてました。

とはいえ、私は個別のホイールが持つ性能やら特性だけにこだわってはいないので、自分で使うホイールのメーカーなりはもう決まっております。また、販売する際にオススメするものもある範囲の中から選んでいます。完組は完組、OGA選手が仰るところもその理由の一つです。それとアフターケア。サスフォークを選ぶ際と同じ基準ですね。床の間に飾るだけであれば、存在自体がふわぁーっとした感じのホイールとかw、危うい感じのホイールとか(実際にありますw)、でも何でも良いんですが、”ちゃんと使う”ならば買うべきメーカーは決まってきます。

先日そんな話を店頭でして差し上げた際には「プロが使っているもので珍しいものを選びたい」なんていう、私が中高生の頃に描いていたような妄想を伺ったのですが、ハッキリ言って止めた方が良いと思います。プロ選手は良いものだから使うのではなく、”供給して頂ける”から使うのです。それだけのことです。今時、自分で使う機材を選べる選手なんてほとんど居ませんよ…。ツールに出るような選手でも替えはいくらでもいますから、「渡したものを使わないなら走らなくて結構!」と言われてオシマイです。それにチームメイトにだって「あいつはアレじゃないと走れないなんて、大したことないな。プロとして失格だな。」と言われるでしょうね。特に国内のハイアマチュアに関してはその傾向が強いですね。大きなメーカーが投資する価値が低いからです。選手とはそういうものです。与えられた環境で結果を出す。それが自分に合わなくても、自分をそれに合わせる。だから、結果が出た機材が良い機材ではありません。「これで走るの大変だったろうなぁ…」ってこと、裏を多少知っている人なら感じることありますよね?…

それから、車を買うときに例えれば、自分が車について理解していないにも関わらず、皆が使っていないメーカーの車や扱っているディーラーが少ない種類の車を買うでしょうか?買いませんよね?

我々一般人がモノを”使う”っていうのはそういうことだと思います。

何か不安がある、そんな車で家族を乗せて旅行には行けません。途中でエンコでもすれば総スカンどころか、責任重大ですからね。でも、それが個人の趣味であってトラブルすら自己解決出来る知識と経験があれば、最終的に楽しい思い出にすることが出来るのでしょう。

ちなみに手組は安心というのも一概に言えません。近くに手組Loverなお店がある人は今の時代レアになりましたから、即日修理可能っていう環境は全国展開出来ませんし、今後は増えることは少ないでしょう。シマノやDT SWISSのホイールならば、例外はありますが数日で直って帰ってくることが一般的です。「今日直らないと困る!」という状況は、それほどあるパターンではありません。それほどであれば、機材に冗長性を持たせるべきでしょう。遅くとも数日で帰ってくるのであれば、完組は優秀な機材と言えます。それが今の時代です。

それとやはり、当店に多くいらっしゃるような非レース派のサイクリストにはチューブラーやディープリムはほとんど必要が無いということ。

どこからがディープかというと、私の感覚的には40ミリくらいかなと思います。MTBが26インチから29インチになったとき、同じリム構造で作る場合に剛性は3割落ちるというデータがありました。26インチリムのスポーク長は270ミリ未満ですが、700Cホイールでのスポーク長は300ミリ前後だろうと思います。これらは同じ話ではありませんが、ディープになって剛性が上がってしまうという想像をするにはしやすいのではないかと思います。

フレームの剛性について硬すぎることに対しては非常に気にして頂いている方が多いにも関わらず、ホイールに関してはそのようではないというところが、まだまだホイールも軽さで進むのだと勘違いされているからなのでしょう。フレームも同じですが、ホイールの方が軽さと空力に対しての神話は根が深い気がします。いやもちろん、あなたが300Wを数時間出し続けられる身体をお持ちなのであれば話は別ですが…

ホイールがねじれにくくなれば剛性は上がります。リムによるエアロ効果より、そちらの方がパワーライダーにとってメリットなのでしょうし、多くのスプリンターがそれらを好むのはその為でしょう。

また、ディープリムは縦に硬いとも言われますが、それもスポーク長が短くなるが為です。もちろん、リムの硬さやハブの設計との総合バランスですが、これまで50ミリ前後のハイトを持つホイールを使ってみたフィーリングを思い出しますと、ローハイトリムのようなバランスを持つものは皆無だったと記憶しています。まぁ、狙いがその通りなので、当然と言えば当然ですけどね。

というわけで…

私は単独で走ることが多い非レース派、あるいはロングライドには相対的にリムハイトが低いものをオススメします。40キロ以上でガンガン踏むライダーでない限り、つまり集団での走行が無い限り、ディープリムは活きてきません…

30キロくらいの速度でもディープは効くなんて意見もありますが、3時間くらいの余裕がある走り方ならまだわからないかも知れませんが、8〜10時間あるいはそれ以上になりますと、その重し感たるや「何でオレはこれ履いてきたんだろう…」と自分を恨むほどでしょう…。でも、レース出てる人は使ってます。当然です。レースはレース、相手に負けるのは自分が弱いから。ディープリムを使いこなす人がいれば、それを使いこなすだけですし、そうなれるように自分が努力するだけですからね。

そして、チューブレス。やはりこれに尽きます。

なんと言ってもコンフォータブルですし、幅広い空気圧に設定することができますから、タイヤを十分に潰して走れるので路面に対してタイヤが持つグリップの容量が増えます。これが威力絶大。タイヤ断面も丸くなればさらに効果大。

結果的に下りは怖くなりにくくなります。

怖いのは”いつ滑るかわからない”からで、それを分かり易くしてくれるタイヤシステムは大きくメリットになります。薄っぺらく細身のチューブラーではタイヤの形を変えてグリップを稼ぐと言うより、滑り出しを緩やかにするというような考え方なので、グリップの容量自体はチューブレスの方がかなり上です。むしろ、美味しい空気圧を知らずに使ったり、滑ったときに対処するテクニックを持たず、トレッド面のコンパウンドが進化していないチューブラーと付き合うのは、むしろ下りで怖さを誘発させる原因になるでしょう。

なおかつ、横風で煽られようものなら…。

カーボンでディープでチューブラーなんて、下りを怖くしているようなもんですな。昨今クリンチャーカーボンも増えていますが、ブレーキを引きずると間違いなく割れますし、ワーストケースではリムが破裂しますので、ご注意を。下りに自信が無い方はカーボンクリンチャーは止めておいた方が吉です。

フレームから組み上げる際の自転車全体のパーツチョイスと同じく、ホイールのチョイスというのは”おおげさ”になりがちです。

趣味ものを買う場合の多くがそうですが、高価なものを買うときにもそのようになってしまいます。「どうせ買うなら…」と大きな看板をぶら下げたいお気持ちはわかりますが、実際に使っている(使ってきた)人のいち意見として申し上げるならば、でかい看板は後々邪魔になります。身の丈が大事です。

自分は今、自宅の設計をしていますが、風呂場を広くしてしまったり、部屋数の多くしたいとか、屋上が欲しいとか、予算が増えて身の丈に合わず、あげく半年後には”必要が無いので使わなくなるスペック”を盛りたがる気持ちは大変に理解できます(笑

Part1であったシーンですが、ガンガン走っている人が個人的な興味として深くなるのはアルミのハイエンドだったり、そのちょっと下辺りだったりしましたね。それは恐らく、結局は一人で走ることが多くなるがゆえ、その場合に最適な選択を現実的に想像するからなのでしょうね。飛び道具はそれに値する状況になれば、自然と必要になるものです。

まずはアルミで日常的に使いやすいホイールでガンガン走って、大事に使って、潰れたらその先の目的に合わせて考える言うことでOKだと思います。私はもったいないと思うものは、ちゃんと使い切れないことが多いですね、自転車意外でも。

当店でオススメしているホイールメーカーは、
 カンパニョーロ
 フルクラム
 シマノ
 DT SWISS
 手組ホイール
です。

この中からお客様の都合や用途に合わせてオススメいたします。

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