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月曜日から火曜日まで関西方面への出張へ行ってきました。
目的はツアー・オブ・ジャパンの京都ステージ観戦、そして東洋フレーム工場の視察です。
なぜ京都ステージかというと、昨年のいなべステージ追加に続いてTOJの今後を左右する大きな一手だからです。単なるお祭りではなく、アジア最高峰(トップを狙って)のステージレースを作り上げ、最終的にはワールドツアー(HC)へと登っていくには欠かせないステージ、それが京都だと思いました。
その気迫と信念は大会ディレクターである栗村修さんの行動や言動からひしひしと伝わり、ここの成功が今後を左右するかも?と感じました。コース設定に関してもかなりちゃんと作られていまして、本気だなと感じました。
月曜の朝から始発で東京を出発予定だったのですが、その時間帯に都内で雨が振りそうだったこと、あるいは間に合わないだろうということもあり日曜の夜から出発。京都には23時ころ到着し、翌朝は7時ころ出発し、自走でけいはんなへ。
走りやすい道と気持ち良い景色、初めて走る道がとても楽しかったです。京都市内はそう思えませんが、そこから奈良まであるいは奈良辺りというのは自転車走るのに最適だと思いますし、自転車で走るならばやはり関東より関西ですね。
コース
コース周辺には交通規制がかかる30分ほど前に到着したので、けいはんなプラザ前を通過して鳥谷池方面へコースイン。登りがキツイというコースで知られていたのですが、事前にコースの近所に済む三船さんから下りがポイントだと聞いていまして、どんなものだろう?と試走チェック。
登りは斜度自体そうでもなく、クライマー向けでないですが、レースというのは斜度のキツさはあまり問題ではありません。そこをどのくらいのペースで走るかが問題。私でもインナーで後ろは真ん中くらいだったら登れるから、登りペースはかかると速いだろうと思いました。かなりきついコースでしょう。
その下りですが、かなり危険でした。ドライの状態でも、全体を通して斜度があり、大きくキツイコーナーが無いので、直線的に攻められる分、減速を強いられるポイントが少ない下りです。なおかつ、けいはんなプラザ側は南側で開けていることもあり、車も通りますから乾いているのに対して、北側の下りは乾いておらず、浮いた砂も筋になっていて危険な匂いがプンプンです。さらにさらに、道路を横切るグレーチングの溝があり、ここにこれはダメだろーと独り言を言って下ってました(笑)直線という直線がコース全体を通して少ないだけに、緩くでもバイクを寝かせているところでのグレーチングはものすごく危険。これを”レース中に”走れば落車する選手はいくらか出るだろうと用意に想像がつくレベルでした。
実際、いくつかのチームで落車する選手をいくらか出していたようです。誰もが左側に転んでいたので、どこだろう?と記憶を探ったのですが、一度では覚えきれませんね。
それとレース中に聞いたところでは、パンク多発ポイントが有り、何人もが序盤でパンク。アベタカのパンクもそれが原因なのでしょうか。ただ本人のブログでは自分のミスと言っているので、ミスを誘うポイントがあったと考えるほうが真実なのかもしれません。ただ、アベタカ二度目のパンクでは増田もパンクしているので、何があったのか気になります。
下り以外でも、小学校前のコーナーでは30キロ以下まで減速を強いられるため、下りで一列になったあと集団は形成されるものの、ここで再度一列にされ、後半の周回数ではインターバルがかかるでしょう。そこそこの上り、テクニカルな下り、ストップからの加速を強いられる幾つかのポイント、「ここでレースしたくないなぁ…」と思いました。
レース展開
レース中はPeaks Coaching Groupの中田コーチと一緒に観戦していました。アメリカでの環境やレース、最新のパワートレーニングについても解説していただき、大変楽しかったです。参考にもなりました。
さて、展開はと言うと。
大久保陣のお試しアタックがあっさり決まったこと、逃げ四人の展開ではUHC(ユナイテッドヘルスケア)が先頭を引いており、その間には各チームとも動きがなかったことは、ミス、コース、天候などが重なり、やや厳し目な1クラスらしいロードレースではあったものの、展開としては乏しかったという印象がしました。
UHCはほぼ2チーム体制でおり、カリフォルニアに言っているロードレースチームに対して、日本に来ているのはクリテ専門メンバーなので、彼らが京都ステージで仕事をするというのは「なぜ?」と思ってしまうわけです。
日本勢チームとしてはこの状況でも残れたことは評価できると思いますが、海外が本気になると、このくらい厳しい(状況によっては元の設定よりもっと厳しくなる)コースではコテンパンにやられることも考えうるのか?と思いつつ、いやこのコースは彼らにとっても制しにくかったのであろうと考えを変えました。
初コースということもあって、あるいは状況から海外勢もおっかなびっくりではないにせよ、様子見している感じはしました。コースが分かったあとの来年、どんなレースになるか楽しみです。
結果は小集団でのスプリントをランプレ・メリダのチモライが獲っての勝利。終始仕事をしなかったランプレですが、最後だけ頂くあたりは流石といえます。レースは勝てばいいのですから。
総括
100キロのレースですが、それ以上長くなると展開が期待できなくなるかもという調度よい距離設定と、危険度が程々なコース取りは素晴らしいステージです。
沢山の観戦者(公式発表で5万人!)がいらっしゃった中では、まずは「すごい迫力だね!」と喜んでいた近所の方や、「えらいこっちゃでぇ〜」とコース脇の人家から出てきたおじいさんは「来年はここでおにぎりとか売ったらええやんか」と近所のおばちゃんと話しており、地元の方の理解をしていただいていると実感もありました。大変嬉しく思います。
大会関係者の方の努力の賜物です。
ぜひ来年、また開催され、お近くの方はもちろんのことですが、東京からでも観戦に行かれることをオススメします。TOJで京都と飯田は大変おすすめです。
来年は両方共行く計画を立てる予定です。
現役の時には見られなかった(笑)素晴らしい笑顔を頂きました!いつもお世話になってます、橋川さん
TOJの魅力はこういうローカル感。日比谷と大井しか訪れたことがない都内の皆さん、ぜひ地方ステージへ!こっちの魅力は満点ですよ!
2周目、梅ノ木峠手前の小学校前の直角コーナー。ここはかなり減速を強いられます。
こういう滑りやすいコーナーではそれぞれのスタイルが分かれますね
ニュートラルサポートカーで戻るアベタカと増田。この前にはマトリクスの車を運転する安原さんにしっかりと”サポート”されたナショナルチームメンバーがいました(笑)
1周目ではアンカーが集団を引っ張っていたのですが、気がつけばUHC(笑)
逃げにも乗せられていなかったアンカーは何を狙っていたのか若干謎だったレースです。後半になり西薗が逃げ、内間が攻撃したのですが、ちょっと不完全燃焼。
今時ここ握って登る人も少なくなりましたけど、だいぶ真ん中持ってますね。
チェン・フン・カイも含めて、チームとしての動きがイマイチ消極的というか、展開をさせに来ない印象のランプレ勢。「怪我なく終わって、2勝くらいできればいい感じなんだよね」という雰囲気がします。
アベタカ終了後のグルペット。ナショナルチームメンバーには厳しいレースになってますね。面手利輝レベルの勢いとメンタルで経験をどんどん積んで欲しい。そして、橋川さんのいうことをちゃんと聞いて努力して欲しい。23歳の壁まであと少ししか時間は無い…。
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