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私がメリダを扱い始めてから5年目のシーズンを迎えています。来年は2017年となり、6年目です。
ここ数年、メリダを扱うディーラーは増えてきました。色々なお店でメリダを買うことができるようになったと思います。今回行われたメリダディーラーキャンプは二つに日程に分けて行われ、メリダを日本でさらに広めて、愛していただけるように尽くし、共に歩む特に重要なディーラーの中に私を選んでいただきましたので、初日日程に参加しました。
初めて行われたディーラーキャンプに参加したのはたった28店舗。これは”全国で”なので、どれだけ寂しい数字かわかっていただけるかと思います。都内を中心に展示会が多く開催される日程の中でこの28店舗は全国からまさに”人知れず”集結した、そんな印象でした…(笑)
盛り上がるという感じではなく、「みんながんばろうね」って感じ(笑)
その後、都内で開催された展示会もガラガラで、デビューしたばかりのSCULTURA SLに私が乗っていれば「メリダ乗ってんだ。へぇ、それっていいの?」とまるで興味がなさそうなコメントをいただいたりもしました。
それが今や、アメリカンブランドやヨーロッパの有名ブランドから続々と乗り換える人が現れるという状態にまでなりました。ランプレメリダに供給を始めたことがキッカケになったのは確かですが、ここ数年でスポーツバイクメーカー・ブランドを取り巻く状況が変わってきたことも同時並行で発生しており、それらの様々な要因によりメリダ製品の良さを実感し、正当に評価していただけるようになったという印象を持っています。
6年前、私はメリダに関しての情報を全く持っていませんでした。知る手段はありませんでしたし、興味もありませんでした。なんとなく、「ガンリタが乗ってる」というくらいのイメージだけでした。サイクルモードで偶然に業界内でお世話になった方と再会を果たし、その後「メリダを日本に根付かせる為に一緒にやってほしい」と声をかけていただきました。しかし、半信半疑。安モノメーカーでOEMメーカーだというイメージでしたから、「ホントにメリダをやるんですか???」という気持ちがあって当然だったと思います。
しかし、そこで「一緒にやります」と返答したディーラーがいくつかありました。その内の一つは私です。
売れるかどうか全く分かりませんでした。まして、実物は見ていましたが、乗ってもおらず、自転車に関してもメーカーに関しても詳しく聞くことなく、なぜか「やる」と決断しました。何かを感じた?といえばそうかも知れません、だって誰もが「へぇ、それっていいの?」という状態だったわけですから。
そしていきなりマヨルカ島へ(笑)
まさにこの時も”人知れず”でしたね。いったい何が起こるのかもわからない状態で成田空港に集合し、不安を抱えて28時間のフライト。お店は10日間休業ですから(笑)普通のお店はOKしません(笑)最近でも他メーカーで現地へ行くという光景がありますが、それとこれとは全く別でした。だって、乗ってもいないし、知らないんですからね(笑)最近のやつはご褒美的な旅行でしょ?
でも、あの時の旅は「これから大きな仕事をする為の小さな一歩を如何にして踏み出すか」という真面目な緊張感に包まれた、地中海に浮かぶ離島での一週間。僕の自転車業界人生では特別な時間でした。あのようなチャンスを貰える人は極めて稀でしょう。
なぜ信じたのか、行ったのかと言えば、やはり人と人の関係。それしかありません。モノは見てないけど、信じて動いただけです。もちろん、リスクはありました。すでに売れていたり、売れると分かっている製品を扱うの簡単にできます。はい、資金がありさえすればなんでも可能だからです。しかし、我々にあったのは気持ちでした。それを共有し、団結しました。
それが日本のメリダファミリーのスタートでした。
現地でプレゼンを聞き、同じく世界中から集まった人たちが醸す空気を感じ、選手の真剣な表情を見て、
「これはすごい事になるぞ!」
と武者震いをしました。
「ここまで大きな規模のメーカーが日本のマーケットに参入することは、今後絶対にない。ここが最後だ。」そう確認し、気持ちを決めたのを思い出します。そして翌日にはテストライドをして、その”すごさ”を確信に変えたのです。「このバイクはヤバい」と。
だがしかし、宴が終わり日本に帰ってきて来てからは前述したディーラーキャンプがあり、展示会があり、現実を叩きつけられました(笑)
あの時の熱を、現地の空気を、少しでも伝えたい。日本でメリダに対して持っているイメージを変えたい。そして、いくつかの有名ブランドをひっくり返したい。そう願い、本当のメリダの姿を伝え続けてきました。
それが今年のディーラーキャンプに参加し、ユーザーさんから注目を浴びるのを見て
「ようやく、ここまで来たのかな」
と感慨深い思いです。
でも、まだまだです。
多くのディーラーで販売されるようになったメリダ。
その中で私は最初から携わってきた人間の一人として、共にここまで大きく成長させたことを振り返りつつ、だからこそ出来ること、言えることを思い出し、足りない部分を確認し、まだまだこれからもメリダと共にマティーノは存在し続けると宣言します。
次回はこのディーラーキャンプで見て、乗った新型バイクについて個別に触れていきます。
次回もお楽しみに。
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