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新城幸也選手が出場しているので観ていますが、1〜2つのステージ以外は最後まで観ることが出来ず、途中で寝ちゃってました。やはり中だるみがあるので観戦し続けるには相当な忍耐力が必要ですね。それを3週間続けるということは、相当なマニアでないと無理です(笑)。
シーズントータルした場合のメインイベントとしては必要な”ツール”なのですが、3週間という長過ぎるレーススケジュールを維持するには、もう色々と無理があり行き詰まっていると感じます。SKYだけは莫大な予算を獲得し、運用しているのですが、他のチームはその数分の1程度。私がマヨルカで見た光景通りというか、SKYだけ全然別次元です。だからこそ、他チームから妬まれ、嫌われているんでしょう。
むしろSKYを除けば、ツールをツールらしく?というか、ちゃんと戦えているチームは無いように見えます。エースですら自滅し、サブエースでは以前のように長いピークを維持できないですから、幾人かの調子が良くなってきた選手を除いては、”チームとして”戦えているように見えません。
開幕前から「フルームだろう」ということは、以上の理由から鑑みて、ほぼわかっていたことですから、アクシデントを除いては勝負になっていないということに変わりはありません。その、アクシデントでひっくり返るというシステム?シナリオ?も、一般的なスポーツに置き換えますと、非常に不思議で理解し難いものです。本来、強い選手を抱え、優れたマネージャーを要したチームに投資をして頂くはずが、アクシデント一つで崩れるとなれば意味がわからないことになってしまいます。
他のスポーツではそういうことが無いように、雨天で中止したり、スピードを緩めたりします。自転車ではそれでも開催するんだ!それが自転車レースなんだ!という一般的には納得し得ない決め付けが、スポーツとしての魅力を削っていると私は思います。アドベンチャーであれば、風邪や雨、雪崩やがけ崩れでサスペンドしてしまうことも魅力の内ですが…。
ランプレ・メリダについて言えば、明らかにツールから力を抜いていると思います。去年もでした。スポンサーのこともありますので、一年で最も大事なのはジロです。ジロに全力投球します。それには賛成です。ツールに注力してしまうと、かなりのリスクを伴います。2チーム制どころか、3チームくらい必要で、個々の選手の実力も必要となれば、その予算は莫大なものになります。その投資効果をスポンサーへアピールするのですが、実効効果を獲得できないためスポンサーは数年で離れる、その繰り返しとなるでしょう。
そんな中で新城幸也選手はオリンピックにピークを持っていけるようにツールで練習しているように見えます。一ヶ月の空白、いやその前はむしろ骨折。そこから無理やりなピーキングを行っているはずで、ちょっと疲れている感じがします。それでも完走出来てしまうところが彼の実力ゆえであり、まるでこれまでの常識では考えられない選手です。
だからこそ、彼が引退した後に何も残らない、そんな気がしています。ツール頼りの広告戦略もあってよいですが、度が過ぎます。それが終わった後のことも考えて、国内レースの魅力を常に発信し続けることが必要でしょう。レースやスポーツの質は見ている側の楽しさが基準であると思います。選手の実力が最低限度以上であることは必要ですが、”世界レベル”でないと楽しめないわけではありません。だからこそ、何でもツール基準で考えてしまうと、とても特別に作られた世界との無理な比較になる為、楽しさの基準点を取り違えてしまうでしょうし、破綻しているビジネスモデルを継続することに力を貸すことにもなります。
昨日のレース中に栗村さんが言っていたとおり、ASOが獲得している予算の内で選手のサラリーとして使われるのはほんの僅かな金額だけです。自転車好きで知られるCGの加藤さんも言っていました「これじゃあスポンサーいなくなっちゃうと思います」と。
ツール・ド・フランスというビッグビジネス
http://www.diplo.jp/articles09/0907-3.html
サッカー並みというのは無理にしても、”世界3大スポーツ”というウソがほんの小さなウソになるくらいの状態にはして欲しいと願っています。”本場”と言われるヨーロッパの自転車レースはそんな状態ですから、それを目指すことに成功はなく、ゴールは独立したスポーツビジネスとしての姿にあるはずです。
私は自転車が好きですし、自転車レースを観るのも好きですから、それがちゃんとしたスポーツになる日が来ることを願います。
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