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今回は作業ネタです。
自分でメカニック作業をしない方にとっては全く必要がありません。これを使う人は少数派でしょうから、ほとんどの方には役に立たない記事ですね…。
維持のためのメンテナンスと、作業をメインとしたメカニック作業は異なるでしょう。前者は自転車を所有する限りはやるべきですが、後者は必要ありません。むしろ、”誰でも出来る”と本を読んで手を付けると大変なことになった経験をお持ちの方もいらっしゃると思います。
カーボンコンパウンドはFSAの製品が最も早くリリースされ、その後を追うメーカーがいくつかありました。その中にはダメなものもあったりして、私は結局FSAに戻ってきたりしました。エフェットマリポーサの製品について評判が良いようですが、ケミカル系で入手性が悪くて高価なものはオススメしないというのが私の信念なので却下。
Muc-Offはここ数年積極的にプロモーションされ、国内代理店も増え、入手性がよくなりましたので、使用者が増えています。
まぁあそれでも、チェーンルブに関しては特筆すべきとは思いませんので積極的に推奨しませんが、これは使ってみてよかったです。muc-offでは洗剤が一番でしょうけど、泥汚れを経験しないロードオンリーの方にはそれもまた不要…。フレームのコーティングやクリーニングに関して言えば、ワコーズの某製品の方が上です。あれはやはり一番良いし、間違いない。
このカーボングリッパーはカーボン製品に塗布して、摩擦を高めることで、固定可能な締付けトルクの低減に役立つペーストです。
何故か甘いストロベリーの香りが付けられていて、お腹が空くのは困りますが、ペーストの中に含まれている摩擦材の性能は高そうですし、その分量も充分以上あります。
ちなみに、なぜカーボン製品にこのようなペーストを塗布するのか?については、まるで金属のように「グリスを塗らなくては!」と考え、結果として「グリスはカーボンに良くないから、カーボン専用品グリスだ!」とお考えのケースが有るようです。
根本的には”公差”が問題の根幹です。
と、ここまで言って分かる方は流石です。ある程度の機械的知識をお持ちだと自身を持っていただけるでしょうし、”察しがつく”方かも知れません。
金属パイプは多くが”引き抜き”で成形されますし、磨いたり削ったりする場合も考慮すれば公差を厳守することが可能です。CFRP(炭素繊維強化プラスチック)に関しては、その成形方法を考慮しますと、公差を厳守することが大変困難です。つまり、部位によって太かったり細かったりします。それは平滑ではないことも含まれるので、2つの部材間に発生させる摩擦が不安定になります。
ゆえ、「カーボン製品は止まりにくい」ので、表面がツルツルしているからではありません。むしろ、ちゃんとした意味でツルツルしていませんし、たとえツルツルしていても公差が守られていれば摩擦は発生します。
さらに言えば、カーボンつまり樹脂同士の圧入を含んだ摩擦のコントロールに関しては、「個体によって異なる」とご理解頂けると思います。
つまりは一様に「◯◯◯すればよい」とは言えず、どのような箇所か?あるいはどのような運用をするか?誰が使うのか?によって処置が異なります。
万能薬はないのです。