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「もちろん台湾でしょ?」
と答えて頂くと思います。
しかし、開発が全てドイツで行われていることは余りご存知でない方もいらっしゃいます。
ドイツにあるMERIDAのR&Dセクションには25人のエンジニアがおり、その内23人はドイツ人。他スイスとオーストリアを含みます。
そこでは製品の企画、デザインを行い、試作を台湾で仕上げ、ドイツでテストを行います。この工程は繰り返し行いますとコストがかかりますので、それぞれをアウトソースしている場合にはその回数やクオリティに制限がかかります。しかし、メリダではこの工程を何度も繰り返し行なっています。
また、余り知られていない事は、すでに製品化されて車種についての追加開発も行っているという点です。例えば、現在のリアクトという車種では部分的な改良が2度行われており、組み立てた状態がより良くなるようになっています。私はこれまで多くのブランドの自転車を扱ってきたのですが、そのようなケースは殆ど聞いたことがありません。なぜなら、自社開発・生産ではないので、途中での改良や引き返しが出来ないからでしょう。つまり、”歩留まりと在庫”の問題が発生します。
メリダではR&Dの責任者であるヨーガン・ファルケ氏を筆頭に、積極的に台湾本社と連携をし、直接会って話し、問題の解決に当たります。
その際にはドイツやオランダのような大きな体格の人間だけでなく、アジアの小さな体格の人間の事も考えて対処を行ったり、世界中の意見を広く取り入れて開発を行います。アジア向けに関しては、我々メリダパートナーショップや多くのグローバルディーラーの意見をミヤタサイクルを通じて吸い上げ、新しい製品の企画・開発へ投入されています。
さて、話は戻って「どこの国の製品なの?」ということですが、例えばフォーカスはドイツのメーカーだと言われています。フォーカスはオランダのポンホールディングスという商社の傘下にあるダービーサイクルヴェルケがもつブランドネームです。ポンはサーベロやサンタクルズもその傘下においています。
そして、フォーカスのドイツ工場では2002年以降フレーム製造が行われておらず、量産品のテストとアッセンブルのみを行っています(日本国内販売品は日本国内アッセンブルもある)。開発はコンピューターでの設計をドイツで行い、試作は全てアジアで行っているとのことです。あれ?メリダと同じような行程ですが、少々違う部分もあるようです。
同じような開発・生産行程なのですが、メリダは他と比較して圧倒的にコストを安く抑えることが出来ています。それは、自社工場で生産・ペイント・アッセンブル・管理・出荷のすべてを行い、無駄をなくしているからです。他のブランドのようにアジアで生産したフレームを本国へ送るような肯定は必要ありませんし、自社工場ゆえその生産数や素材・部品の調達についても大変安定し、コストも安くなります。
結論としては”台湾のブランド”に間違いありません。メリダは台湾の会社だからです。
製品の価格の差は性能差ではないということになります。
日本に限らず、自転車ブランドの多くは高価格であるほど高性能であり、高価な素材を使用していると訴えているのですが、メリダはそのような広告をしていません。それは事実に反するからです。
他方から見れば、メリダの性能とクオリティに迫るためにより大きなコストを支払っているケースが多く見られます。「こんなにすごい素材を使っているよ」と訴える必要が、その製品単価の差からあるのです。
良いものを安く、まさにメリダはそのような製品です。
価格が安いからと甘く見ずに、ぜひテスト(試乗)してみて下さい。
そして、乗って頂くと驚くはずです、
「え?この価格の自転車でこの走りなの?」
と。