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この時期になりますと、各バイクメーカーのディストリビュータには2018年モデルが届いてくるわけです。
そして最近のトレンドから言えば、大量の試乗車を用意し、それを我々販売店(ディーラー)やエンドユーザーに乗ってもらうことで評価を求めることが多くなりました。
その為には100台以上の試乗車を用意しなくてはならず、ディストリビュータにとっては大きな負担であるばかりか、それだけの台数の組み立てを行うわけですが、これがなかなか奥が深い。
新しい年の新しいモデルは、当然しっかり開発されているのですが、限られた人の目によって作られるのに比較して、より多くの人に触れられることでさらに改良点が見つかるケースはあります。
メリダはミヤタサイクルがディストリビュートしているのですが、その中でメカニックの中心的役割を果たされいる方が、Sさんです。チームミヤタで選手として活躍されたあと、同チームのコーチ・助監督、メカニックを歴任されたSさん。ディストリビュータで試乗車を組む役割って、意外と”下っ端”の仕事だったりもします。自転車店に努めていた経験があったり、選手経験があったりすると、「これ組んどいてね」的に請け負うわけですが、Sさんクラスのマイスターがそれを行うのと全く仕事が異なります。
Sさんは完成車であっても、一人のライダーとして、メカニックとして、”どうあるべきか”と目的や用途を考えて組立を行います。
その際、新製品だからこそ起きるエラーを記録し、メリダ本社へフィードバックを行うのですが、これを小さいディストリビュータでは仕事量的にまず出来ませんし、大きい場合でもしっかりしたメカニック目線で行っているケースは殆ど聞いたことはありません。”台数をこなすのに精一杯”であることをよく聞きます。
ですから、私はSさんに感謝しています。
ディストリビュータで気づいたことはそこでフィードバックし、ディーラーで気づいたことは我々パートナーショップを中心になってフィードバックし、多くのエンドユーザーが使用して起きたことをさらにフィードバック。
このように多くの目でチェックし、それに反応し続けることで、我々販売店は安心して完成車の箱を開けることができますし、皆さんに自身を持って販売することができます。
実際、今年のリアクトカーボンでは2度同梱パーツに変更があり、ワイヤのルーティングをスムーズにする努力がされています。私の知る限りではありますが、シーズン途中でこの様な事が起こった事はありません。
ちなみにメーカーサイドに何か意見する場合、すぐに素直に受け入れてくれるケースは大変まれで、ないに等しく、彼らなりの考えはこうであるからと諭されます。しかし、そこで議論し続け、お互いの理解を得て、初めて改良にいたるのですが、一般的には我々販売店からの要望やクレームに対するメーカー側の意見をこちらに返して、議論せずオシマイにするディストリビューターも少なくなかったですね。その方が楽ですからね。
ゆえ、我々がいくらフィードバックしても、ディストリビュータに”その気がない”と言う気が失せ、SNS等に”ぼやく”ことになってしまうわけですね。
これが出来ているディストリビュータとディーラーの関係性って、なかなか無いんですよ。これも私がメリダを選ぶ理由の一つです。
全てはライダーの快適で幸せなサイクリングのためにパートナーシップを築いています。