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遂に来月、SILEXの入荷が始まります。
「メリダもグラベルロードを発売しました!」と分かり易く言いたいところですが、それらと一緒にされてしまうのはモッタイナイので、改めてしっかり掘り下げておきたいと思います。
■ なぜ、私やMERIDAはそこまでこのバイクに期待をし、楽しみにしているのでしょうか?
■ SILEXはこれまでのロードバイクと何が違うんでしょうか?
■ SILEXとはどんなバイクなのでしょうか?
■ SILEXで何が出来るんでしょうか?
ロードレーサーがロードバイクと呼ばれるようになってから、つまりジャンルが1つから多くのジャンルに分岐してからしばらく経ちました。ロードレーサー、クライミングバイク、エアロロード、エンデュランスロード、グランフォンドロードバイク。これにシクロクロスが加わります。
ここ数年はその分裂したジャンルの中に「グラベルロード」というものが新たに登場し、その在り方についてメーカーによって様々な解釈がなされ製品化されています。2018年モデルの中で代表的なバイクとしてはFUJI JARI、JAMIS RENEGADE、ORBEA TERRAやGT GRADEなどが思い浮かびます。そのどれもがROAD,GRAVEL,TRAILをどれも走ることが出来るとアピールしています。
しかし、これらは従来からあるグラベルロード、例えばNINERのRLT9シリーズとそれほど大きく変わっていません。
つまり、”あくまでもロードレーサーをベースに”
・太いタイヤ
・フェンダー(泥除け)
・多様なバッグ類
・ディスクブレーキ
・頑丈なフレーム
というスペックを積み上げたものです。
ところが、路面状況の悪い状態を走る場合、必要な要素として優先されるのは太いタイヤでもディスクブレーキでもなく、ライダーのスキルです。上手いか下手かではなく、ライダーが自分のスキルを十分に発揮できる道具であることが必要なのです。4WDの車を買えば、どこでも自由自在に走れるでしょうか?いいえ、そうではないはずです。
ライダーのスキルを発揮するためのスペックであり、スキルに加点するものではないのです。
ですから、”グラベルロードにの乗ればどこでもすぐに走れる”というのは余りにも過剰な妄想だと言えますし、それを売り文句にするのも間違いだと言えます。
そこでこんな疑問が浮かびます。
なぜ、メリダにはシクロクロスがあるのにSILEXを開発したのでしょうか?
なぜ、シクロクロスバイクでツーリングをしないんでしょうか?
RIDEやSCULTURAのディスクブレーキ装備車両でもできそうではないですか?
ポイントはそこです。
[SILEXとはどんなバイクなのでしょうか?]
SILEXはまさにドイツの自転車文化から生まれたスタイルだと言えます。ドイツ人はあまり、自転車で競い合うことが元来好きではありません。ロードレースのチームも持ち、多くの人が楽しんでいますが、大部分の人はあまり”レースライクなスタイル”に興味がありません。ゆえ、売れる自転車のほとんどがマウンテンバイクだというのはその為です。
マウンテンバイクでツーリングを楽しんでいた彼らは、ロードバイクの機動性が欲しくなりました。700Cのホイール、少し細目のタイヤ、ドロップハンドルが欲しくなりました。そうすれば、より遠くまで走ることができます。キャリアを装備し、大きなバッグを取り付けた重たいバイクから、SILEXにスイッチすることで、これまでの楽しみ方を変えることなく、ロードバイクの機動性を手に入れることができます。
そもそもが早く走るために作ったのではなく、楽しさを味わうために作られたのがSILEXです。早く走るためのジオメトリではなく、マウンテンバイクをベースにした”オフロードを楽しく走るジオメトリ”としました。しかし、それが普通のグラベルロードであれば、よくあるようにビギナーがロードバイクに乗っている最中に感じるような緊張感や恐怖感を残してしまうことでしょう。
〜 第2回に続く 〜
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