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パワートレーニングのはじめ方「ロングライド編」
これを今度開催しようと思っているんですが、何も知識が無いままだとわけが分からない(つまりロングライドにパワトレが必要だと思ってもらえない)ので、ちょっと解説をポストすることにしました。
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難しい話ではあるんですけど、”ロングライドで楽に(速く)なりたい!”と思われる方は、ちょっと読んでみてください。
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えーと、下は9月の私のPMCチャートです
PMCチャートというのはPerformance Management Chartという意味でパワートレーニングではよく用いられるものです。
簡単に言いますと、”疲れ具合と体力を数値化したもの”だと言えます。これは誰でも実感したことがあると思います。疲れが溜まってやる気が失せたり、遅くなったりする、そういうことです。
たくさん乗ると体力がつきますが、乗り続ける量次第では疲労が蓄積され、さらにはオーバートレーニングになってしまいます。このチャートを参考んして、それを防止したり、イベントに向けて疲労を抜くことを覚えます。
[9/2]
走行時間:7時間56分
移動時間:7時間44分
距離:157キロ
エネルギー:3834kJ
獲得標高:2568m
平均速度:20.3km/h
平均出力:134w
平均心拍:146bpm
平均ケイデンス:78rpm
[9/3]
走行時間:6時間14分
移動時間:4時間33分
距離:85キロ
エネルギー:1500kJ
獲得標高:1330m
平均速度:18.3km/h
平均出力:88w
平均心拍:123bpm
平均ケイデンス:65rpm
さて、私は9月2-3日でこれだけのライドを行いました。連日乗ったわけです。人によっては「これくらいならいつも乗っているよ」とか、毎週やっている人もいると思います。しかし、上のチャートではこのくらい乗ったら疲労がものすごく蓄積されるので、休まないといけないよと出ています。
黄色いライン(TSB)が一気に急降下し-50.5というラベルがわかりますか?この数値は-20(人によっては-30の場合もある)を下回ると危険という数値です。故障しやすくなったり、調子を崩してしまいます。また、水色のライン(CTL)には65.3とラベルがあり、緑色のライン(ランプレート)には12とあります。前者はCTLといい体力を表し、この数値を前週と比較して3-7程度(5以下を推奨)ずつ増加させないと疲労が蓄積したり、怪我の起きやすい状態になります。これは一気に12上がったということを意味しています。
■参考:TSB・CTL・ATL活用のガイドラインや注意点の整理
http://www.jitetore.jp/contents/fast/list/201205280700.html
この後、私は9/4〜9/8まで全休しています。それによってTSBは-6まで回復。数日乗らないことで回復するなら、ロングライドしても問題ないじゃん!と思いきや、1週間単位で考えた場合にはCTLが7.5増という結果。このままではオーバートレーニングになってしまいます。
つまり、土日にガッツリ乗った結果、ウィークデイを全休しないといけなくなり、週単位でのトレーニング量は限界ギリギリの増加量という結果になりました。
何が言いたいのかというと
半日以上に渡ってのライドはかなりの疲労を蓄積させます。これを週末だけで行っている分には出来てしまう方もいるかも知れないですが、一般的にはキツイと思います。
結果的に”ロングライド等で少し楽に(速く)なりたい”と思われる場合には、これを繰り返すことで得られるメリットは殆どないと思ってください。
※疲労している状態で乗ってもその効果はほぼ無いばかりか、むしろ弱くなります
むしろ、ロングライドは月に一度程度にし、そこに向けての準備を行うことがよいでしょう。一ヶ月を1つのブロックと考えると、準備週1及び2、3週目がロングライド週、その翌週は休養週とします。
こうすることで、トレーニングの成果を上げることが出来、かつ次のライドへのモチベーションも保ちやすくなると思います。
セミナーの内容はこんな感じで行います。
これまでに言われていたのはこんなことだと思います。
「走れば走るだけ強くなる(とにかく距離をこなす)」
「重いギアを速く回せ」
「ゆっくり走れば有酸素能力がつく(LSD等)」
まぁ、どれも無茶苦茶です(笑)
これでは自転車に必要な運動やその要素、あるいは準備の体系的理解は進まず、ただただ疲労をためるということになってしまいますし、実際によく目にします。
この結果強くなった人は、”この修行に耐えられた人”でしかなく、あるいは自転車に乗る時間を沢山確保できた人になるでしょう。恐らく、実例を思い浮かべるのは容易だと思います。
私のセミナーでは、
乗る時間を無理に増やすのではなく、有効に活用すること
で、現在のパフォーマンスを引き上げるという内容です。
ぜひ、次回開催時にはご参加頂けるように願っています。
これ以上無駄な努力を減らしていきましょう。
なお、レース対策でのトレーニングを考えた場合、このような乗り方はオフでのみ許されますが、オンシーズンでは体調を悪化させたり、トレーニングでの強度を落とす結果となることでしょう…