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トレック・セガフレドが2018年シーズンはディスクロードをパリ~ルーベとグランツールで投入へ、そこに見え隠れする業界の本音とレースからのキャリパー排除の予感(Cyclingtime.com)
http://www.cyclingtime.com/modules/ctnews/view.php?p=21959
[これを見たある人のの意見]
陰謀説みたいなの好きだね、ここは。天候問わずブレーキング性能が維持されることに、何が悪いというのか。金で安全が買えるなら買えばいい、買えないなら買わなければいい。
[私の意見]
上に書いた方の意見に同意します。こういうおかしな陰謀説を電波で飛ばされますと、使ったことがない人は良くわからなくなるので、もう勘弁して欲しいですね。
多少でも意味のある記事であればうなづく部分もあるでしょうが、誰の利益にもならず、なんのつもりで書いているのかさっぱりわからない内容なので、ピックアップすることにしました。知識の無い方はこんな記事を読んで鵜呑みにしてしまうでしょう…。
ディスクロードを売るだけが絶対ではなく、リムブレーキでも売れれば問題はありません。「なぜ、そんなに売ろうとするのか!」という人までいれば、その答えは「そうしないと自転車レース文化そのものが終わってしまうから」となります。レースに全く興味がないならば、「売れなくても困らないよ」とも聞けるでしょうけれど、実際にはレース文化が終わってしまうと自転車メーカーはものすごい勢いで萎みます。あくまでもこの世はレースありき、それは仕方のないことです。
しかし、ブレーキが効くようになって何が悪いというのでしょう?
ブレーキは安全装置。それを容易に、誰もが使いやすくなるのに悪いことなどありません。今自分が使っている機材と互換性がなくなることは確かですが、何れにしてもいつかは買い換えるものです。そのタイミングまで今の機材を使い続ければよいだけで、それほど大きな話ではありません。今の機材を3-5年くらい使いつつ考えれば良いことです。
「大きな変化」だとか、「いろいろ変わる」と恐れる意見も聞かれますが、むしろリムブレーキは100年ほど続いてきていますし、ロードレースについて言えば何十年も変わっていません。そろそろ、変化があっても仕方がないと思います。
一問一答
答えきれない問もあるでしょうが、思いついたことを書いておきますので、参考にどうぞ。
Q:重量面の問題
A:プロが使うレベルのコストをかける場合、2018年時点での重量差は100g以下までになりました。一般レベルのコストではもう少し大きくなり、500グラム程度でしょう。いずれ、その差は低コストでも縮まるでしょう。
Q:メンテナンスが面倒?
A:いいえ。むしろ、ワイヤのように交換頻度が多くなく、錆びることもなく、一度安定してしまえばそのまま使い続けることが難しくありません。単に、作業に慣れているかどうかだけが問題です。特にシマノの油圧ブレーキシステムは驚異的な安定感を発揮しますので、フルードを1-2年交換しなくても(勧めませんが)動いている個体は少なくありません。むしろ、ワイヤで同じことをした場合、とても引きが重たくなり、使い続けるのは困難でしょう。
Q:メンテナンスコストは?
A:そこまで大きくは変わらないと思います。当店ではワイヤ交換する工賃とフルードを入れ替える工賃は同程度に設定しています。ワイヤの単価が不要になる分、ほぼ同程度となります。多少プラスになったとしても、安全安心のブレーキを安定して発揮できることがそれと交換に得られるメリットです。
Q:初心者には使いにくい?
A:いいえ。むしろ、しっかり止まれるブレーキがあるべきなのは初心者です。熟練者が不要だと切り捨てる意見を参考にすることは誤りです。
Q:ブレーキローターは危ない
A:いいえ。ローターで何かが切れるでしょうが、それはかなりの力で長時間押し付けてこそですし、その間に回転力も収まるので、いつかあった”シューズ切断”ということはほぼ起きません。チェーンリングの方が余程危険です。切れるとしてもキュウリ程度でしょう。
Q:キャリパー?
A:言葉を正しく使いましょう。ディスクかリムか、です。ディスクブレーキにもキャリパーはあります。
Q:レースでは使わないとダメ?
A:レースレギュレーションは変わるものです。レースの楽しさはリムブレーキのままでも発揮できると考えれば、プレーヤー側にも観客側にも不要だと言う意見は出るでしょう。しかし、車のレースでそういうこととは別にレースレギュレーションが変わるように、ロードレースでもそのタイミングが来ただけのことです。レース主催者はもっと先を見て、大きな視点からレースというゲームの魅力を維持するために変更を行います。
Q:ディスクは要らない?
A:いいえ、必要です。「天候問わずブレーキング性能が維持されることに、何が悪いというのか」ということです。
Q:ディスクは嫌いだ、要らない
A:どちらも選択できる未来が来ることを私も希望します。しかし、限度はあります。74DAのトラックハブが残っているように、何かしら残してくれることを祈ります。私自身、今の自分の乗り方であれば必要性を感じません。
Q:メーカーは売りたい?
A:もちろんです。KERSも明らかに、EVやHVを販売するダメですよね?
Q:選手は使いたくない?
A:F1にDRSもKERSも無いレギュレーションがベストなのかどうかは誰にもわかりません。しかし、それが変わることで違う選手が勝つことが出来るかも知れません。新しい機材に順応できない選手は去ることになるでしょう。それはスポーツとして正常なことで、同じ選手が勝ち続ける事が不自然だと言えます。ゆえ、主催者団体はときに大きな変革を起こすものです。それらに対して、全員がNOということもYESということも無いでしょう。特に90年代の選手は好まないでしょうね、引退が早まってしまう人もいますから。
Q:UCIは?
A:前向きです。使わない理由はありません。
Q:レースでの解禁の意味とは?
A:単にレースレギュレーションが変わるタイミングという意味しか無く、自分自身の用途に対して便利で、コストを払う価値があると思えば使いたいタイミングで使えばいいだけのことです。マティーノではその点について、ユーザーサイドに寄って相談をします。私が”選手サイド”に寄る意味はありませんし、それはあなたも一緒だと思います。
Q:実際に使うと?
A:ブレーキはしっかり効きます。思っている以上に楽に感じます。タイヤ幅は28C程度が適切だと感じます。
Q:フレームは一緒?
A:いいえ、違います。アクスルがクイックリリースからスルーアクスルへ、エンド幅の拡大に加えて、フレーム特にフォークの役割が大きく変わります。フロントフォークはホイールを通して伝わる衝撃を和らげ、しならせ、バイク安定して前に進ませる役割をしていますが、ディスクブレーキ以降にこれが変わります。フォークは概ねストレート形状となり、しならせるということができなくなります。より強度を求められるからです。それによって、フロント周りは軸を中心に硬くなり、自転車の進ませ方が大きく変わるでしょう。選手にとってはそちらの方が深刻だと思いますので、導入に反対している選手はその変化へ対応したくないのかも知れません。MTBの場合にはFサスフォークがあるので、その問題が大きくなることは無かったと言えます。この問題が解決されれば、私も積極的にディスクへ移行することになるでしょう。その手始めとして、シクロクロスから移行を開始します。
Q:最後はどうなる?
A:私はリムブレーキロードも残ると思います。しかし、ほぼなくなってしまうでしょう。そこまでにどのくらいの時間が必要かはわかりませんが、今この2018年に焦るほどのことではないでしょう。今日明日に無くなるのではないからです。ずっとリムブレーキを使いたいという希望も叶えられると思いますが、希望の商品が残るかどうかは色々な事情が作用してしまいます。それぞれのサイクリストの意見が1つでも多くメーカーに届くけられるようにしましょう。