どのシステムを選ぶかは大事

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先日、こう呟いたのです。

https://twitter.com/csmattino/status/950595939177148416

最近、”パワーメーター”を買おうと思ってくれる人が増えていますが、肝心なところを理解されていないように感じました。

それは、
 「センサーが取得したデータを出力したり、それを表現力したり、トレーニングを実行する際にはサイクルコンピュータに依存する」
ということです。

どんなデータを発信しても、それを表示するサイコン側が表示しなければわからずじまいということです。また、走行中にそのデータを使ってどのように表現するかもサイコン次第ということになります。

つまり、サイコンはトレーニングの質を左右します。


今回は各ハードを簡単にレビューし、サイコンとパワーメーターは合わせて考え、選ぶものだと知ってもらおうと思います。

ハードとしては、GARMIN、WAHOO、SRM、STAGES、PIONEERがあります。
※その他についてはトレーニングに使える機能が弱すぎて使えません


[GARMIN]
最も大きなシェアを持っていますが、WAHOO ELEMNTの登場によってそれは揺らいでいます。WAHOOのスマートフォンと親和性の高いシステム設計は使いやすく、GARMINよりも安く、北米ではほどほどのシェアを奪還することに成功しています。GARMINの大きな欠点はそのトレーニングに不足した機能でしょう。特にGARMIN CONNECTの弱さはライバル随一だと言えますので、EDGEを使っていてもGARMIN CONNECTは使っていないという人も多いことでしょう。ワークアウトを作成する機能はありますが、そのレイアウトは固定されており、単なるインターバルタイマーとしてしか使えません。最近になり、EDGE1030ではTraining Peaksとの同期ができるようになったのですが、余分な機能が多く、タッチパネルはトレーニングで使いにくい上に大変高価です。


[WAHOO]
スマートフォンにより設定の簡易化をしたことやStravaのライブセグメントの自動同期などが評価され、また2018年には3つのプロチームがしようするということで評価が大きくなっているメーカーです。GARMINよりもシンプルで、Training Peaksとの連携によりトレーニングプランを作成・同期・実行が可能ですが、自分でワークアウトを作成することは出来ません。自前でデータを閲覧するシステムは持たないので、Stravaを母艦にするケースが多いようです。

これら2社はトレーニング特化型ではなく、総合機能モデルです。地図の表示機能やナビゲーション機能もあり、様々なタイプのサイクリストをターゲットにして開発されています。ゆえ、GARMINでEDGEシリーズをみても、500シリーズから1000シリーズまで比較してもトレーニングに関連した機能にほとんど差はありません。

それに対して、SRM、STAGES、PIONEERはトレーニングに特化したサイコンです。地図もナビもありません。完全にターゲットを絞っています。


[SRM PC8]
SRMを使用している人以外使わないでしょう。最近はワイヤレスになり、データのオートアップロードにも対応しましたが、トレーニング機能は一切なく、ただ数字を表示し記録することしかしません。わざわざ買う人も少ないでしょう。


[PIONEER SGX-CA500]
同社のペダリングモニターと組み合わせることで、ペダリング効率、12箇所でのベクトル・フォース、トルク値なども表示することができます。トレーニングアシストという新しい機能が追加されましたが、本格的なトレーニングに使用できるものではなく、一般サイクリスト向けのサービスです。本格的な機能としてインターバルタイマーがありますが、同じことを繰り返すだけのシンプルなタイマーゆえワークアウトとして使用できる範囲は狭く、同社のCyclosphereでも取得した数多くのデータの分析することは得意でも、未来をプランニングしてゴールを目指す部分は苦手です。新しくリリースされる予定になっているアイフォン用Appのアップデートでは、かなりの高機能化を果たすようで、日本国内のマーケットにおいては”これ1つで全てを賄える環境”が出来る可能性もある。税別29800円という低価格も魅力。実際、屋外で乗る環境において、Today’s PlanやTrainig Peaksなどコーチングアプリケーションが設定したワークアウトを実行可能な環境はほとんどなく、実走行の中において実行可能な短いワークアウトを選択した行うことを考える場合、日本国内の環境ではパイオニア同士の組み合わせはやはり最強ではないかと感じます。ちなみに、オンラインでのみ販売されているパワーセンサーとの組み合わせにおいてはペダリング効率、ベクトル・フォース、トルク値を表示することが出来ず、ファームアップにも対応していないので、かなり機能が限定されます。トルクが出ないことはセルフコーチングにおいてかなりの痛手になるでしょう。むしろ、ペダリングモニターを使用しているのにも関わらず、GARMIN EDGEを使っている方も見かけますが、もったいなさ過ぎます…。
※Cyclo-Sphereアプリ(iPhone用)誕生
http://pioneer-cyclesports.com/jp/products/data-analysis-web-service/app.html


[STAGES DASH]
横長、縦長のどちらの向きにも使用することができます。他のサイコンでも表示するフィールドの中身を入れ替えることができましたが、STAGES DASHではその画面の区切り方そのものを設定することができ、大きな表示を左上にも右上にも作ることができます。また、それらの設定はSTAGES LINKというアプリケーション上で行うため、視覚的に操作がしやすくなっています。STAGES LINKはToday’s Planと連携し、作成したトレーニングプランを作成・同期・実行することが可能です。また、作成されたワークアウトをアレンジしたり、ワークアウトをゼロから作成したりすることも出来ます。Stravaライブセグメントへの対応、ライドデータの自動ワイヤレスアップロードはありませんが、USBケーブルを接続するだけでバックグラウンド動作し、ライドデータと数日先のワークアウトデータが同期される。STAGES LINKでは計画されたワークアウトをドラッグアンドドロップで入れ替えが可能など、操作性は良いし、データ解析に関しても細かく行うことが出来る。他社と比較した場合にまだまだ進化に乏しいですが、ポテンシャルは秘めていますし、トレーニングに完全に特化しているので、これからが楽しみです。


[まとめ]
何が答えとははっきりいいませんが、何となく察して頂けたのではないか?と思います(笑)

最近になって私も注目しているトルク値についてはPIONEERとSRAMだけが表示することが出来、他機種ではトルク効率というよく分からないデータに置き換えられます。
※現在、STAGES DASHの詳細は不明です

とにかく、安いものに飛びつかないことです。

パワーメーターやもサイコンもトレーニングの環境作りの一貫です。お気に入りのローラー台、お気に入りのトレーニング道路、あるいはウェアやプロテインなど、成果を上げるために必要な環境作りの一貫ですから、他のパーツを買うようにしてそれに掛けるコスト上限を設定すると選択を誤ってしまうケースもあるでしょう。使い勝手がイマイチだからモチベーションを削がれるなんて、本末転倒です。

また、サイコンの買い替えにはあまりモチベーションが上がらないかもしれませんが、これもトレーニングを実行する大事な環境の1つです。その効果を考えれば、リヤメカや大きなプーリー、あるいはセラミック製ベアリングを買うよりも余程効果的かもしれませんよ。

もっと詳しいことは店頭まで相談にいらっしゃって下さい。
いつでもお待ちしています。