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パワーメーターを初めて買うなら両足が良い
先日もポストしたのですが、片足計測パワーメーターの欠点は意外と小さくありません。レースをするなら片足でも思っていたわけですが、実際のトレーニング内容を考えると厳しいシーンもあります。
左右差の修正は必要かどうか
https://www.biciclettadimattino.com/blog/?p=29167
上が前回の記事です。初めた買う人でなくても、左右差は馬鹿にできません。「レースで使うなら片足でいい」という話は乱暴だと思います。それはパワートレーニングをしっかりとレースするつもりがなく、独自のトレーニングを行う中で目安にできればいいということでしょう。
しかし、今後はウェブアプリケーションを使用してのトレーニングが、むしろ非レース層では一般的になってくる(既にZwiftやってますよね?)ので、そこでは左右差があると全く別の内容のトレーニングになってしまいますからね。
というわけで両足の出力を計測できる最廉価はこれ!
POWER2MAX 「Type-NG eco」
以下は価格表(税別)です。とても魅力的な価格設定となっています。POWER2MAX自体、もともと堅牢でシンプルで安いというコンセプトだったわけですが、ライバル勢が価格を更に下げる中で優位性を維持しようと、Type-Sを廃盤にし、Type-NG ecoをリリースしました。Type-NGは最上位モデルで、精度が±1%が売りの1つです。NG ecoでもType-S同様に±2%の精度ですから、ライバルと比較しても実用上の問題は出ません。
むしろ、片足計測のままに精度をアピールしたところで、左右差はそれ以上になる場合が多く、センサーの精度どころではなくなります。左右差が4%あれば、300Wで踏んでいるつもりでも、270しか出ていない可能性もあれば、330Wも踏んでいる可能性もあり、全く正確ではなくなります。
クランクもセットにして最も安いのモデルで78000円という価格ですから、他メーカーの片足のみ計測製品と比較すればその優位性がハッキリとわかると思います。唯一、ペダリングモニターのみ”もう片方の買い足し”が可能です。
・STAGES ULTEGRAモデル 78000円※
・GARMIN VECTOR3左のみ 79000円
・パイオニア ペダリングモニター片側のみ 74800円※
・パイオニア パワーセンサー 49800円※
※別途クランクセット購入が必要
肝心要はこの機能
■ 右+左の出力が測れる
■ フレームを選ばない
■ ANT+/Bluetooth両対応
■ マグネット不要なのでセッティング不要
■ 自動校正
■ 温度補正機能
■ ケイデンス計測可能
ダイレクトマウントブレーキ装着車両でもいけますので、MADONEでもREACTOでもイケます。
取り出せるデータの種類の多さからペダリングモニターが最もオススメであることは変わりないですが、片側のみしか取り付け出来ないフレーム等や事情がある場合には、これがいいと思います。
穴を開けてはいけない機能をすべて網羅しています
これらに加えて、
・左右バランス
・トルク
・ペダルスムースネス
を各50ユーロでソフトウェアアップデートし、機能追加できます。
全て追加した場合、1%という精度以外Type-NGとの機能面での差はなくなります。
これらに関しては、どう表示するかはサイコン側の仕事なので、そっち側の対応と合わせて見て下さい。パイオニアのSGX-CA500はペダリングモニターとセットにした場合のみ、トルク表示をNmですることできますが、トルク効率はANT+パワーメーター規格準拠なのでセンサー側に関わらず表示可能です。GARMINの場合、Connect IQ対応であればトルクを表示することでき、その場合にはセンサー側がトルクを計測していれば可能らしいです。そんな感じで、センサーとサイコンとの相性がありますので、ご注意下さい。
左右差が不安定なライダーには両足計測がオススメです
既にこのPOWER2MAX Type-NG ecoは代理店に入荷しています。早速、一点注文してみましたので、店頭で現物をご覧いただけます。
そして、もう一つ(One more thing…)
対応PCDのところに「110-S」という表記があるのにお気づきでしょうか?110があるのに110-S???「ん?SってあのS?」そうです、シマノのSです。
110-Sは現行世代のシマノクランクに対応したPCD110寸法になっているスパイダーで、シマノの純正ギア板がそのまま使えます。ROTOR 2INPOWERを導入したとしても5アーム縛りがありますので、ROTORの(高いだけの)noQチェーンリングを使うしかありあません。
FSAの方も4アームですが
FSAの4アームPCD110は独自寸法のため、シマノ純正ギア板は使用できません。ゆえ、Gossamerクランクにも110-Sのスパイダーが設定されています。
※FSA純正パワーメーターであるPOWER BOXはType-NG ecoのOEM製品となりますが、110-S設定はありません。また、Bluetooth通信に対応しておらず、ANT+のみとなります。ソフトウェア・アップデートによりBluetooth対応も可能なようですが、コストが掛かるようです。また、アルミ仕様POWER BOXはGossamer以上に重たく、驚きます。
シクロクロスに使うにもイイんじゃないでしょうか?
対応するPCDも豊富ですからフロントシングルでも組みやすく、さらにはクランクアームの種類も多いので重くても安い方がいい場合から、軽いものまで選べます。いいですね。
ペダリングモニターの優位性もあるんですが…
この後のポストでも申し上げますが、低コストでの導入に関してはある程度の出力が出るようになるまでは左右差よりも合計出力を優先し、それに加えて「効率よりパワーアップを優先」してください。それが効率アップに欠かせません。
センサー&クランクセット | 対応PCD | クランク長 | 価格 |
FSA Gossamer | 110/130/110-S | 165/170/172.5/175 | 78000 |
FSA Gossamer BB386evo | 110/130/110-S | 165/170/172.5/175 | 88000 |
FSA K-FORCE Light BB386evo | 110/130/110-S | 165/170/172.5/175/180 | 128000 |
ROTOR 3D24 | 110/130/110-S | 165/170/172.5/175 | 104000 |
ROTOR 3D Plus | 110/130/110-S | 165/170/172.5/175 | 128000 |
Campagnolo 2015 | 4アーム | 198000 |
センサーのみ | 対応PCD | クランク長 | 価格 |
ROTOR 3D24 | 110/130/110-S | – | 82000 |
ROTOR 3D30/Plus | 110/130/110-S | – | 82000 |
SRAM FORCE22/S900 | 110/130 | – | 78000 |
SPECIALIZED S-WORKS/FACT | 110/130 | – | 98000 |
CANNONDALE SL/SiSL/SiSL2 | 110/130 | – | 98000 |
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