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明日はシクロクロス東京によりお休みですが、12日はお昼前からFTPテストのスケジュールが入っています。
FTPはどうやって計測するか?とか、それがおおよそどういう意味かは理解されている方が多いのですが、その数字がサイクリングにおいて何を意味するか?に関しては、結論が出ていないか方向性を誤っているケースもあります。
FTP:1時間全力疾走した際の平均出力=有酸素能力の限界。3kmの個人追い抜きから3週間のステージレースまで使える有酸素能力の指標。
これはご存知の通りです。60分間のテストを行う正確性も大事ですが、大抵は20分間や8分間のテストでそれを計測します。これもご存知の通りです。
計測すると、いくつだと数字でわかります。さて、問題は次です。FTPが高いと強いのか?ということです。それは間違いです。FTPを他人と比較することに特別な意味はありません。最大のFTPを出した人がレースに勝つわけではないからです。高いパワーウェイトレシオは登坂時に有利に働くでしょうし、高い最大パワーとそれに対する低い抵抗(ネガティブパワー)は平坦のTTで有利に働くでしょう。しかし、それはFTPを大きくすることとは異なります。
FTPを計測することは、その次にあなたのパワーゾーン(トレーニングゾーン)を設定することに役立ちますし、目的はそれです。
さらにあなたのパワープロファイルを計測することで、各パワーゾーン毎に長所と弱点が見えてきます。あなたの目的に合わせてどちらを伸ばすべきか考え、トレーニングを行います。その際に必ずFTPが必要です。トレーニングゾーンを設定できないからです。
L1 | アクティブリカバリー | <FTPの55% |
L2 | エンデュランス | FTPの56-75% |
L3 | テンポ | FTPの76-90% |
L4 | LT(閾値) | FTPの91-105% |
L5 | Vo2max | FTPの106-120% |
L6 | 無酸素運動容量 | FTPの121%< |
L7 | 神経筋パワー | N/A |
つまり、FTPを計測することはスタートです。
あなたがなりたい自分になるために必要な要素を判断し、それを自分自身に加えていきます。そうすることで、より良い結果を得られるでしょう。
その目的はレースだけではなく、L2とL3を主体的に鍛えることでロングライドやブルベに強くなるでしょう。
FTPが全く同じでもそのライダーが持つテクニックやスキルは異なりますし、メンタルも異なります。また疲労プロフィールも異なるので、同じ強さであることは全くわかりません。あくまでもFTPはその個人が進歩を続けるための指標です。
FTPを計測したあとは、パワーメーターを取り付けたバイクでの計画的なトレーニングを開始しましょう。