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先日組み立てた東洋フレームのROAD-2、これを乗ってみたりしてるわけです。そこで得た感覚はまた新鮮さをもたらし、懐かしさももたらし、何となく気持ちがいいわけですが、ここで言いたいことはそんな感情的なことやノスタルジアではないのです。
鉄はしなやかだとか、乗り心地が良いとか、楽だとか言われるわけですが、それってなんなの?っていう話です。まあ、ものは何でもですけど、良いところばかりではありませんので、先程のようなノスタルジアを燃え上がらせて、「よし、いいぞ、気持ちいいだろうなぁ」とするだけでは、私が書く理由はないだろうと思うわけです。
もっと具体的に掘り下げようと思います
今日乗って感じたのは、カーボンのほうが抜けが良いこと。その代わり、鉄のほうが掛かるポイントは掴みやすい。ただ、抜けが甘いのでケイデンスを上げにくい。カーボンでも上位モデルほど抜けが早く、レスポンスも早いので、ケイデンスだけが無駄に上がってしまうから、ペダリングスキルが無くてもケイデンスを上げやすいけれど速すぎる足の動きの中ではスキルアップさせにくいという功罪があるでしょう。それとカーボンは掛かってる感が薄いので、上手くいっているペダリングがどれなのかを判別しにくい。それに対して鉄はトルクが掛かっているゾーンが広いので、低ケイデンスでも漕ぎやすいと感じるでしょうね。これが鉄はラクに感じる正体だと思います。
抜けが甘いのでトルクが掛かっているゾーンは広くなるかわり、ある角度だけで一気にトルクを掛けるようなペダリングにはついていけないでしょう。トルクが掛けやすいのでペダリングスキルを醸成するには良さそうです。特にダンシングしたりするのは良いと思います。これがよく言われる粘りの部分でしょうか。
乗り心地に関しては鉄でも色々あるので私はなんとも言えませんし、素材論だけの話ではないと思っています。私の感覚ですが、これは軸回りの剛性や逃しによってもたらされるものだと思っています。フォークの先やエンドでの逃しです。ビギナーの方には何を言ってるのかわからないと思いますけれど、鉄フレームの乗り心地はほぼそこで決まると思います。最近多くなっているディスクロード系にあるスルーアクスルはとても高剛性で逃げ場がないので、フレームの一部をしならせたりすることでカバーしています。乗りてが得る感覚としては変化がありますが、慣れや好みの世界でしょうね。つまり、鉄だけが乗り心地が良いとは思っていません。
レースペースで走ろうとすると、トルクを掛けやすい特性が仇になります。ある程度ペースで踏んでいる時には問題になりにくいですが、特にパワー的に出入りが多い走りには弱いと思います。バイクの走らせ方としては一世代前のエアロロード系に似ているでしょうか。
重量についてはこのバイクの仕様ではペダル、サイコン、ボトルケージまで装備して8.8kgなので、決して重すぎないと思います。サイクリングには十分な軽さです。ミドルグレードのカーボンバイクで105あたりを装備したものと比較しても、それほど大きな差ではないでしょう。
まとめ
鉄も捨てたもんじゃないですよ、もちろんそれは東洋フレームさんの味付けが良いからですけど。カーボンは全部において、他の素材より優れているのだろうか?ということについてもNOだと言えます。向き不向きや良し悪しがあります。これまでのようなノスタルジアを基にした鉄への評価も悪くはないですが、もっと乗ることという自転車の本質的な部分で評価をして頂けるとうれしく思います。そうすると、鉄を素材で語るのではなく、個々のバイクの評価をして頂けそうでしょうか。つまり、鉄なら何でもOKだし、楽ではないですよ。