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ユニットを比べることとは
Eバイクにはいくつかドライブユニットのメーカーがあります。今回はSHIMANO STEPSについて、私が感じた特徴をカンタンにお伝えしますが、そもそもドライブユニット選びはEバイク選びの中でどのくらいのプライオリティを占めるのか?ということも同時に考えていきたいと思います。
自転車マニアの方やライターさんが書く記事やアドバイスの中には、「ドライブユニットはEバイクの要であるから、そこに注意せよ!」というようなスタンスがあります。「自分はこのメーカーのユニットが良いと思った。その理由は◯◯や△△で、だからこれが良いんだ」というようなことです。間違いではありません。しかし、それはペダルバイクにおいてフレームセットをコアとし、そこにどのコンポーネントパーツで組むかというスタンスを元にしており、ペダルバイクであればたしかに性能を左右はします。
Eバイクでそれに似たパターンは唯一、E-MTBでは可能なものの、実際に乗り比べてみますと、リヤサスペンションリンクも含めたフレームジオメトリに大きな差があるので、ドライブユニットから端を発したとしても、結局はバイク全体での評価をすることになります。
ペダルバイクを楽しむのに欠かせないのはペダリングを楽しむことです。それがサイクリングの本質的に大事な要素の一つだからです。しかしながら、Eバイクにおいてペダリングは積極的に楽しむものではなく、あくまで一つのパーツに過ぎないと思います。むしろEバイク選びで大事なのは、どこへ行って、どこを走って、どうやって楽しむかということです。
その点から申し上げると、ユニットで絞るのではなく、遊び方から車種を絞っていく方がベターだと思います。その結果として残ったバイクのスペックとしてドライブユニットがあるという事です。
これは車選びに似ています。クルマをエンジン(原動機)から絞っていくのは、余程のマニアだけです。燃焼形態、シリンダーの配置、カムシャフト形式で選ぶ人はかなりまれですね笑。スポーツカーを走らせる場合に、出力での比較をすることはありますが、実際には頭打ちでどれを選んでも一緒な場合が多いかと思います。あえて選ぶなら、トルクカーブなど感覚による差でしょう。むしろ、インテリアの質感や形状、シートのセッティングなど、エンジン以外の要素の方が大きなさになり、大事になると思います。
よく似ていると思いませんか?
スキーへ行く、キャンプをする、大人数を乗せる、それぞれがやりたいこととミスマッチしたクルマを買ってしまったらいけません。
SHIMANO STEPSの特徴とは
SHIMANOはEバイクにおいてもスポーツバイクを開発すべく、体力に自身がない方にでもペダリングを楽しんでい頂けるように考えられています。また、スポーツバイクにすでにお乗りの方が乗った際にも、これまでに近い感覚で乗れるようにと、トルクを発揮しやすいケイデンスを80回転前後と、通常のサイクリングのようにクルクル回すと楽しい自転車になっています。ハイケイデンス域への対応もよく、トルクが抜けてしまうようなことはありません。
SHIMANO STEPSのドライブユニットは他と比べて、低ケイデンス時にトルクの立ち上がりがややマイルドだと感じますし、むしろEバイクであることを意識しにくい、非常にアナログ感の高い乗り味になっています。
あくまでも個人的な感覚においてですが、デジタル感の高い、スロットルを捻るようなフィーリングにおいては、ペダリングしている回転数以上にトルクが発揮されるため、オートバイ的なフィーリングを感じます。あれはちょっと違和感があるのです。BOSCHやYAMAHAはそれに近く、PANASONICはもっとセンシティブでありもっとも自転車らしくないフィーリングだと感じました。
各々のメーカーにはメリットがそれぞれあるのですが、自転車に乗りたいし、自転車で走りたいという私のようなニーズの場合、もっとも感覚的に自然に馴染めたのはSHIMANO STEPSです。
SHIMANO STEPSのドライブユニットは、多くの方に利用していただいても不満の出にくい、非常にバランスの良いセッティングになっていると思います。また、海外でも他メーカーと比較した場合、その高い信頼性は魅力です。ペダルバイクにおいて、ほぼ一社でコンポーネントを独占しているのも、その信頼性がゆえで、結局はコストダウンに繋がります。
ぜひ、Eバイク選びの際には、ドライブユニットだけで選ばないように、全体の設計思想やポテンシャルと、目的とのマッチングや比較をされるほうが良いでしょう。その点においては、実際に様々な場所や車種で遊んでみないとわからないわけで、是非当店にご相談頂くことをオススメいたします。