この記事は約 7 分くらいで読めます
行ってきました、三宅島へ
以前から、個人的に研究と称して、Eバイクを携えて渡航していたのですが、その成果として今回は常連さんを連れてツアーをしてきました。
伊豆大島へ行く場合にはジェット船が速く、そして有名ですが、三宅島へはジェット船はないために大型客船に乗っていきます。ジェット船に自転車を積む場合、輪行しなければなりません。大型客船に自転車を積む場合、Eバイクであってもちょっと頑張れば輪行できますが、片道1500円を支払うだけでコンテナに積み込むことができます。往復3000円のコストですが、付属品を外すだけでそのまま積み込んで頂けて、そのまま受け取ってすぐに走れるというのはすばらしいのです。
夜22時半に竹芝桟橋を出港し、翌朝5時に到着。たしかに遠いと思いますが、東京から6時間半かけて車で走っても、新幹線に乗っても、このような地形や景色には出会えないわけで、その価値は十分にあるのです。しかも、渡航費用が安い。株主優待を使えば、オンシーズンの2ヶ月以外は35%オフとなるので、往復で約1万円しかしません…。往復交通費と食費を含めても1万5千円程度で、こんな豪快な遊びができるなんて、竹芝まで自走で行ける方は今すぐEバイクを買ってやるべきです笑
輪行の苦労もなく、それにともなう気遣いの必要もなく、ターミナル駅での混雑もなく、ただビールを飲んで乗っているだけで着いてしまいます笑ので、これを最高のレジャーの1つと呼ばずなんとするのでしょう。
火山と暮らす島
三宅島は今も活発に活動している火山島で、もっとも最近は2000年に大きな噴火をしたのを覚えているでしょうか?島というより、火山そのものに上陸するイメージで、世界でもこんなに近くに火山を眺められ、地球を感じられ、自転車で走れるところは稀でしょう。
火山を近くに持つというより、火山の中腹に暮らしているという状態であり、わずか20年前まで栄えていた村などが一気に押しつぶされた様子などを間近に体感するのですが、そのスケール感にただただ驚くばかりです。
地球を身近に感じる
噴火によって次々と地形を変えてきた三宅島。堆積物や溶岩は島のいたる所にあり、その景色は荒々しく豪快そのもの。島の周囲はほぼ崖と、とにもかくにも「すげー」という言葉を何度口にしたのかわからなくなるほどです。普段ならこのような島に渡ったとしても、交通手段にも困りますし、たとえ自転車があったとしても自分の体力ではカバーすることができないでしょう。でも、Eバイクとなら自由に行動できます。
船旅の不安定さ
船旅は不安定です。天候が悪ければ欠航する場合もありますし、出港したけれど着岸できない場合もあります。帰りの船は、どの港から出港するかは朝の時点で決まっておらず、11時頃になってようやく決まりますから、確認が必要です。そのような船旅独特の不安定要素さえ、都市生活者の普段の生活にはまったくないものであって、それもまた楽しみとして味わえます。
Eバイクを買えば、ほとんどの方がこれを楽しめます
自転車でツーリングを楽しむ場合、それがペダルバイクならば余計に、走りそのものを楽しむコース設計をしがちです。Eバイクの場合には、観光感覚で見たいものや、行きたいところを設定すれば、ドライブユニットのアシストによってどこへでも行くことができます。
走った距離は40キロ、その間に1100メートル登りました。なかなかの山岳コースです笑。参加いただいた5名の方たちがもしロードバイクやその他のペダルバイクであれば、たとえ荒川を走ったとしてもバラけてしまったでしょうし、ちぎれないようにするにはお互いにストレスを被り合う必要があるでしょう。しかし、Eバイクを使うことでただの一度もちぎれることなく、苦しい思いをすることなく、笑顔のまま走りきれてしまうというのですから、もはやこれまでのサイクリングは何だったのかと思います。
これまでのものもサイクリングですが、サイクリングが持つ根源的な楽しみはこちらに詰まっているように思います。それはまた、歩く程度の体力さえあれば、誰でも楽しむことができます。
私がこのツアーで伝えたいこと
私がこのツアーで伝えたいのは、EバイクにはEバイクを楽しむための方法があるということです。また、日常の足としてのEバイクだけではなく、Eバイクが持っているポテンシャルを十分に引き出すような遊び方をし、楽しんで頂きたいということです。
これまでの自転車は自分の体力が続く範囲内でのみ、移動をすることができました。つまり、自転車の可能性やポテンシャルを自分の体力如何で見積もるわけですから、自身のない方ほど「遊びに使うなんて無理だ」「きついのはイヤだ」と思うでしょうし、山を自転車で走るなんて想像もしなかったことでしょう。
バイクはもちろん、装備、コース、考え方など、あらゆる意味でペダルバイクによるサイクリングとは別のアクティビティです。これまでペダルバイクで走っていたコースをEバイクでトレースしても、それほど面白くはないと思います。ロードに乗っている人が想像するコースは、ロードで走るから楽しいコースであって、Eバイク向きではありません。むしろ、今回のコースをロードで走っても、爽快感はなく、斜度がきつく、辛いだけでしょう笑
24キロまででドライブユニットによるアシストが切れてしまうEバイクでは、24キロ以上のスピードで走ることが多いコースは不向きです。それならペダルバイクで走ったほうが軽快で、速く、楽しいでしょう。しかし、それをするには体力と持久力がより多く必要ですから、そこがこれまでペダルバイクを楽しむためにあった大きなハードルでした。
Eバイクは誰でも自転車によるレジャーやアクティビティを楽しめる、素晴らしい道具なのです。
Eバイクについて多少ご存じの方は、もっとパワーのあるEバイクが欲しいと仰る場合がありますが、モーターや原動機の力でスピードを出したいのならば、オートバイをオススメします。45キロまでアシストが効くEバイクがEUにはありますが、ジャンルとしてはオートバイになりますので、免許、税金、登録、保険などで自転車より多くのコストがかかる上、自転車道を使えないばかりか、停める場所などにも気を使うため全くと言っていいほど売れていません。全世界のEバイクマーケットのほとんどは、EUルールの25キロ以下ジャンルの中にあります。またアシスト比率を取り上げては、「日本人は損をしている」というくらいに仰る方もいらっしゃいますが、現実として今回のようなコースを年齢も体力も性別もバラバラのメンバーで楽しく走れるのですから、”日本仕様はパワー不足”というのは大きな誤解だろうと思います。
Eバイクのミソはスピードが遅いことにもあります。クルマやオートバイでは見逃してしまうことも、スピードが遅いサイクリングで見つけることができます。しかし、そのサイクリングでもロードバイクのように速すぎてしまうと、見たいものをあっという間に通過してしまうでしょう。ロードバイクを車に例えるならばレーシングカーだと言えます。走るためにあり、走りを楽しむためにあります。ドライバーが見ているのは景色ではなく、次のコーナーの入り口でしょうし、走っているときの感覚にはシビアになり、音や振動などの一つ一つを楽しみます。そして、基本的に1人で乗るものです。一方、Eバイクを車に例えるならば、SUVのようなものだと言えます。時には高速道路を素早く移動できますが、より多くの道を走ることができ、荷物もより多く積めて、みんなで楽しむことができます。
Eバイクでは平均時速15キロ前後という丁度いいゾーンで誰もが走ることができるため、まるで徒歩の延長のようなゆったりした気持ちで快適に速く移動することができるという素晴らしい経験ができます。