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今週は南房総です
どうも、毎度お世話になっております。
先々週は南会津、先週は伊豆大島、そして今週は某サイクルジャーナリストさんから「房総へ行きませんか?」とお声掛け頂いたので、知り合いのお店の人たちも誘ってEロードバイクに限定したツーリングをしてきました。
Eロードバイクも来ますよ
「Eバイクの普及はまだまだですかね?」
という常套句を言われることが多いのですが、私の答えはYesでもNoでもありません。
Eバイクとペダルバイクは別のもので、そもそもEバイクのメインターゲットはサイクリストではありません。じゃあ、なぜ私たちがEバイクに乗っているのか?私たちはサイクリストではないのは?
その答えもNoです。
そもそも、体力などの問題によってサイクリストになれなかった人たちのために、そういう人たちでも自転車を十分利用できるように、Eバイクは開発されました。つまり、マーケットの拡大です。その上で、私たちのような30-40年以上の自転車歴を持つサイクリストにとってもEバイクはとても楽しく、ラクで、自由でした。いやむしろ、”生まれてはじめて自転車に乗ったときのように!”自転車らしさを満喫することができるものがEバイクでもありました。
つまり、マーケットの拡大と細分化という原題では当たり前の拡がりがあるだけで、ペダルバイクをEバイクに置き換えるものではありません。それはそれ、これはこれであり、別のものであり、両方楽しむ人もいるということです。
EバイクはE-シティバイク→E-MTB→Eロードと順番にマーケットを拡大されてきました。2022年モデルとして、ついにEロードバイクはある程度のメーカーからデビューすることでしょう。
それを目前にして、私たち自称関東で最も(いや日本で最も?)Eバイクに強いお店の店主は、日本のEバイク幕開けの地である房総に集結し、来るEロードバイク人口の拡大に向けて遊び方の研究をしたのであります笑
それぞれの道具にはそれに適した遊び方がある
何度も言ってますが、Eバイクを楽しむ場合にはペダルバイクで走っているルートを道具を変えてなぞっても、大した面白みはありません。楽しみきれません。ペダルバイクではできなかったこと、行けなかった場所、走れなかったところを走ってこそ、Eバイクたる楽しみ方が可能になります。
65km/1350mUpのコースでは前半と後半にパンクあり、転倒によるホイールお釈迦ありと、なかなかトラブル満載ではあったのですが、Eバイクでしかできない楽しみを満喫しました。
ゆっくりだから見えるもの
これももう、何度も書いていますが、ゆっくり走るのと速く走るのでは見える景色が違います。また、乗っている人の精神状態も違います。高速道路を車で走る場合、80キロと100キロではそれぞれ違うと思います。もっと速く走っても良いならば、140キロで見える景色や気持ちも異なるでしょう。速いほうがストレスが増しますので、”気持ちの余裕”は無くなります。”ツーリズム”に必要な穏やかさを失ってしまえば、オートバイでのツーリングのように”景色を見ているようで記憶に残すほど見ていない”だろうと思います。早足で美術館を回るようなもので、絵筆や造形の一つ一つに目を移し、感じ取り、心を落ち着けるものではありません。
Eバイクでは一時停止して景色を見たり、写真を撮影したりすることにストレスがありません。クルマやオートバイで一時停止して、停車して、何かをするのはストレスになります。そのまま走り続けるほうが楽だからです。気を配る、目を配る余裕はそもそもないかも知れません。
Eバイクにはゆっくりとした速度域だからこそ生まれる様々なコミュニケーションがあり、それを楽しむ遊びです。その事によって、今まで気が付かなかったルート沿いの町や村にある歴史や文化に目を配り、掘り下げ、走った土地に愛着を持つことができるものです。速すぎる場合、高速道路を走っているのににており、一部のSAPAだけに人が集まるでしょうが、当該地域としてのメリットはほぼないでしょう。
色々なスタイルがあっていい
自転車は自由を得られる乗り物のはずですが、スピードの世界に囚われてしまうと、ある物差しでしか考えられなくなってしまったりもします。高くて、軽くて、かっこよくて、その価値観は偏ってしまいます。価値観が固定化されれば、その対角にある文化を許容できなくなったり、理解しようとしなかったりします。それが個人内で行われるのは自由ですが、日本ではそれが空気として存在しつづけ、そこから醸し出されるブームという波になっていくでしょう。
Eバイクは、体力・フィジカルという”無くてはならないもの”に対する許容量が大きく、歩ける程度のフィジカルさえあれば楽しめます。つまり、強烈な固定化された物差しが存在しないので、自由に気ままに気楽に楽しめるのです。
だから、今回集まったメンバー6名は車体もファッションも自由。160万円する超軽量Eロードから、私のような30万円のキャリア付Eロードグラベルツアラーまでの幅がありつつも、それらの人が朝から夕方までずっと笑顔で、道や景色や食への楽しみを共有し続け、「また行こうね」と笑顔で別れられるのですから、これはものすごいツールです。
これがペダルバイクならば、このメンバーで平坦を30キロ走ることすら、笑顔では叶わないでしょうし、気遣いとストレスの摩擦に対処し続けねばならないでしょう。
Eバイクを買って、一緒に行きましょう
他でも同じですが、道具は買うことではなく、買ったあとにどう使うかが大事です。どこで、どう使うか、です。遊び方を覚えるまでがお買い物なのです。
私はEバイクをただ販売するだけではなく、その遊び方に関しても案内をしており、それを含めてサービスしています。自転車店は技術者であることを喜ぶのは自転車マニアだけですから、これから自転車(Eバイク)を始めようと思う方は、別の価値観によってお店を選んだほうが良いと思います。
今回参加されたお店は以下の通りです。
■ 輪工房(野田)
■ 輪工房(春日部)
■ サイクルワークスオオタキ(行田)
■ サイクラリー喜輪(横浜西口)
それと当店
■ サイクルショップ マティーノ(墨田区本所)
です。
いずれも、今Eバイクを買って遊ぶなら先端を行っている店舗です。むしろ、Eバイクの展示すらないどころか、店主さんと話しても全くやる気も興味も大してなしということは少なくありませんので、「全然流行ってないなぁ」とがっかりせず、当店や今回参加されたお店までどうぞいらっしゃって下さい。
最初に申し上げたように、今は細分化する世の中ですから、色々なものをメジャーにするのではなく、ものすごく濃いホットスポットができるので、その中に居れば良いのです。むしろ、ネットの世界にいるほど、薄いメジャー成分の表面しか掬えないのだろうと思います。
ちなみに、2021年のメリダEバイク販売ランキングで当店は2位にいます。駅チカでもなく、一人でほそぼそやっていますが、2位だそうです。そして、乗っている方は楽しんでいます。だから、他の人はどうでもいいのです。自分が楽しむことに素直に考え、それに従い、今後数年やる遊びに対して効率的で効果的な投資を行いましょう。
ご来店をお待ちしております。
集合場所周辺だけ雨…なんで?笑
以前は千葉といえばササニシキだったですが、コシヒカリとその改良種ブームがあり、すっかり一部のお弁当業者向けを除いて無くなってしまいましたので、これもきっとコシヒカリなのでしょう。
「こんなところがあったのか」と思うような場所でも、かつて通過した国道からわずか10キロくらいしか離れていなかったりします。
速い人でも遅い人でも速度差が生まれないので、常に隣りにいて話しかけられるのは、Eバイクでないとできないこと。速度が速いと風切り音で会話になることは稀です。
マスクとアイウェアをしていますが、その下は笑顔。それがEバイク。
この場所に来るまでに激坂を越えてこないと来られませんし、クルマもほぼ通らないので、もはやEバイクでしか走りに来ないでしょう。いや、Eバイクを買わなければ一生来ることはなかったと思います。その意味でも、初めて見るものだらけなのがEバイクツーリズム。
今回も
ミヤタサイクル の ロードレックス
299,000円(税込)
30万円は高いように思いますが、出来ることを考えるとそうでもありません。走れる場所や遊びの幅を広げたり、普段から練習しなくても自転車で旅ができます。30万円はちょっと良いディスクロードに買い換えるのに必要な予算ですが、その場合にはそこにさらにプラスしてホイールやパーツへの予算が必要であることを鑑みると、価値観に変化が生じるかも知れません。それらを比較して考えると、ロードバイクへの30万円というのは、乗り物のようでスポーツの機材なんだなと改めて実感をします。
とんでもない場所に出会ってしまいました。実際には写真の数十倍はダイナミックで、かつ衝撃的です。昨年秋の台風以来、山の中はとんでもないことになっています。
この日集まったEロードバイクたち。スペシャばっかしですね笑
何度も言いますが、どれがメインかメジャーかを探してそれを買う時代は終わっていますので、自分にあった道具を選べば良いと思います。
千葉といえばトンネル。でもここは新しい方です。
お土産も旅の楽しみ。私は日常的に使うものを買うのが好きです。
今回の目玉はこのあおさ粉。500円でこの量は驚きでした。青のり好きなので、飛びつきました笑