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「まだまだディスクはいらない(いや、ずーっと?)」と一般の方が言うのは分かるんですが、お店やメディアの人でもまだ言っているのを聞いては、カルチャーギャップに驚くばかりですが、バイクメーカーやサプライヤーの間でのディスクブレーキへの移行は完了していますので、今年もすでに話はディスク主体になっています。
それは単にパーツが変わるということだけではなく、自転車に乗るということについての感覚的な部分と数字的な部分をトータルしてディスクの世界になっていくわけです。
ディスクブレーキではローターをパッドで挟んでホイールを止めるわけですが、制動力を地面に対して発揮する際には、あいも変わらず、いや当然ながらタイヤという存在を介して伝達されます。つまり、摩擦力です。
また、タイヤは快適性という要素も担っているため、タイヤの太さに関してのスタンダードをどう考えるかというのは、単にブレーキ装置が変わってだけに留まらないわけです。
そもそも、目的は何なのかと考える必要がある
旧来のロードバイクで標準的だったタイヤ幅である23Cあるいはそれ以下は、レースのためのタイヤ幅です。その頃、下りのスピードは今ほど速くなく、安全性や安定性は軽視されていました。これはクルマのレースでも同じで、以前のクルマはすぐにぺしゃんこになったのですが、それはそのまま放置されたので、多くのドライバーはその犠牲になりました。
25Cはフレーム剛性の高まりに応じて、あるいはバイクの速度上昇に対応したようにも思えますが、路面抵抗の低減を目的にした場合にも合理性があるものです。そもそも、23Cが細すぎるのではないか?と私は感じます。当時のロードバイクに乗っていた際、23Cはあまりに細く、平坦でも速度が遅いほどバイクの挙動は不安定であり、ダウンヒルの際には怖さを常に感じました。
23Cを使用していた当時、チューブレスを利用したことで挙動は安定し、快適性は高まり、コントロール性も、いずれも劇的に向上したものですから、私はロードバイクに乗る際の恐怖感を減らすことができ、技術を発揮しやすくなりました。はじめて下りを楽しめたのもその頃です。
私の仕様タイヤはその後25Cに移行し、なおかつチューブレスを標準的に使用することになってからは、さらなる乗りやすさを得ることとなりました。単に使いやすいのではなく、より速く、快適で、安定したので、安心して走行でき、疲労軽減にも繋がりました。
昨年からディスクブレーキロードに乗るようになり、タイヤに関する感覚はまた変わりました。25Cでは摩擦力が足りないと感じるようになるケースが増えたのです。バイク全体の剛性が上がったことで、タイヤにも剛性が必要になったと感じますし、確実に下りでのスピードの乗りが良くなったので、それによってバイクを寝かせた際の安定感がかなり向上し、とてもいいバランスになったのではないかと思います。晴天時だけではなく、雨天時にも、またあらゆる路面で制動力を発揮しやすいのはディスクブレーキの大きな特徴でありメリットです。そのために買ったはずです。そうであれば、摩擦力を発揮しやすいタイヤサイズが求められるのは必然だと言えます。
ただ、クリンチャーになると28Cになることで路面抵抗が増えると思います。なぜなら、タイヤが太くなる場合には空気圧を落とすからです。タイヤの剛性が増しますから、同じ空気圧では固く感じますし、グリップ(摩擦)を得るためにも空気圧は落とすべきです。
ここまでの流れを把握すれば、タイヤ幅を太くしても抵抗がそれほど増えず、むしろメリットが多く出て、かつバランスを崩さないで済ませるには、チューブレスというソリューションあってこそだと言えるでしょう。
空気圧を落とすと、走行中にタイヤが変形する量が増えますから、クリンチャーのままよりチューブレスは格段によく転がります。むしろ、クリンチャーではブレーキが掛かるかのようです。また、チューブラーもタイヤの変形量が多くなると路面の抵抗が劇的に増してしまうため、タイヤを太くすることは歓迎されません。つまり、23Cというのはなんら根拠のある数字ではなく、トラックバイクから派生し、チューブラーというソリューションの下で使用する場合に一定の妥協点を見出したものの、代わりに多くのデメリットを生んだものだとわかります。
長くなりましたが、改めて今の時代のバイクにふさわしいタイヤ幅はどの様になるかを考えれば、レースやレースライド目的なら最低でも25Cが必要であり、レース以外の目的であれば26-28Cを標準値と考えて良いのではないかと思います。また、チューブレスで使用することで、よりラクに、速く、快適に走行することは可能です。
私が選ぶ、現在ベストだと思うロードバイク用タイヤはこれ
特にレースではないライドには、このタイヤが発揮する快適性と転がりの素晴らしいバランスは大きなメリットになるでしょう。グラフェンの採用によって、ヴィットリアのタイヤ開発はそれまでと別の次元になっており、以前の滑って不安定というものではなくなりました。コンチネンタルや現在のIRCのように、剛性にあふれるレースタイヤと比較した場合、こちらのほうが使いやすいと思う方が多いだろうと思います。グラフェンは経年劣化にも素晴らしく効果を発揮しますので、半年を経過してもまだまだフレッシュなコンパウンドであり続けますし、ひび割れにも大変強いタイヤです。私は、ロングライドやエピックライドにおいて走りの軽さにより疲労を軽減するという考えは正しくなく、むしろ平坦や下りで安定し、安心してスピードを出し続けることが出来るほうが合理的に疲労軽減をすることが出来るだろうと思います。
Vittoria CORSA G2.0 Tubeless Ready
8,800円(税込)