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サイクリングとは
クルマでも自転車でも同じく、それを使って競技をする人はごく少数です。ロードレーサーはロードバイクとなり、それは”サイクリング”のために使われるようになりました。サイクリングにはいろいろな形があり、楽しみ方があり、幅広い年齢層に支持されています。
サイクリングはスポーツなのでしょうか。たしかに運動を伴いますので、スポーツだと言えます。乗る方本人も、「運動がしたい」というわけで、それはそうなのだと思います。しかし、その人が深層で理解していることについて言えば、「リフレッシュになる」という言葉の中身を読めば、”移動”することがその本質として求められるものだと言えます。もちろん、運動することでするリフレッシュもありますが、自転車の場合にはそもそも走るためにあるということ、つまり”移動すること”で得られる様々な刺激がサイクリングの本質なのだと思います。
Zwiftを楽しいと感じるか否かで言えば、移動することが本質として多くを占めていた人は楽しくないと感じ、スポーツとして乗ることが多くを占めていた人には満足を提供するでしょう。
サイクリングは小規模な旅だと言えます。”はじめてのおつかい”はどう見てもロードトリップですし、通勤も通学も旅的要素に満ちています。旅には偶然があり、選択があります。それがリアルタイムで進行し、同時に移動し続けるわけです。「自宅に帰るまでが旅」なのです。
移動手段としての自転車
これまで自転車の中でもスポーツ自転車は、スポーツ用であることを文字から受け取り、それはそういうものだと認識されてきました。しかし、それもまた移動であり、旅であるとするなら、自転車は移動手段だということです。人間が徒歩以外に移動するための手段として自転車があり、それを選択することです。
自転車には自由がある
もはやこれは特権と言っても過言ではなく、人間が免許不要で、低コストで、もっとも早く効率的に移動する手段は自転車です。これは今後も変わらないと思います。新たなパーソナルなコミューターが出現したとしても、自転車が自転車で有り続けることは変わりなく、その存在を脅かされることはないでしょう。さらに、Eバイクというものが登場し、その移動範囲を圧倒的に拡大さえしてもなお、それもまた”法的に自転車である”とされて以降、その価値は確固たるものになりました。
ストレスからの開放
生活する上でのストレスは近代以降どんどん増しており、それはコロナ禍において上積みされたましたので、有史以来、現在は人間が生きる上でかつて無いほどストレスフルになった社会だと言えます。以前よりも精神的ストレスにより様々な症状を訴える方は増え、それは”健康維持”にとって大きな障害となっています。コロナ禍において、それは”移動の禁止”をされたことが大きいでしょう。もちろん日本では法的に移動が禁止されたことはありませんが、別のかたちでの人々の中に染み付いています。人間は移動を禁止することで他の人間を管理しようとします。言うことを聞かせようとします。人々の欲求は抑圧され、今後はそれを開放していく、まさに自由を取り戻す戦いになることでしょう。
しかし、抑圧された社会においても自転車は使われ続けました。むしろ、多く使われたと言えますし、需要の高まりは全世界で起こりました。そこに急激な製造業への需要増、輸送費激増、材料の取り合いなどが重なり、現在の供給不足へと繋がります。自転車は単に便利で効率が良いというだけではなく、ヨーロッパにおいての自由の象徴的ツールとして利用されました。それは多くの都市での交通インフラの様子を変化させ、市街地での速度規制に至り、物理的走行空間のドラスティックな変化を生みました。まさに新しい日常だと言えます。
あなたが自転車に何を求めるのか
「自転車がほしい」「自転車は楽しそう」「自転車が好きだ」そう考える理由は様々です。それぞれに認めるべき点があり、それぞれに存在価値があります。それは言わずもがな、自明です。その上で問います、「あなた自身はなぜ自転車に乗りたいのでしょう?」と。
「そんな難しいこと考えずに乗れば良いんだ」、それもいいと思います。私は色々と深く難しく考える人間なので、こういう人もいるのです。今から2−3年の間、あるいは5年くらいで考えてもいいです。自転車で遊ぶにには何を買えば良いのでしょう?どこへ行けばよいのでしょう?そこで何をすれば良いのでしょう?それは自分が自転車をどの様に使って楽しみたいのか?ということと同義であり、なぜ乗るんだろう?何を楽しいと感じるんだろう?ということの解を得るために考える内容とシンクロするでしょう。
答えは最初から出ている
回りくどく書いて申し訳ないのですが、つまりは旅なのです。あなたは旅がしたい。それを自転車でしたいのです。それはどんな旅か。
もちろん、歩いて日本一周する人もいますし、自転車でそれをする人もいます。とはいえ、あなたがしたい旅には、そこまでスポーツ的要素を入れるべきかどうか、です。ロードバイクはあくまでロードレースが出来る自転車であって、それは他のスポーツ同様にプレーヤーに苦しみを与えます。苦しみによる抑圧があり、その先に開放があり、勝利か敗北のいずれかを得ます。これまでスポーツ自転車≒ロードバイクであったので、旅をしたい人がロードバイクに乗ることに対しての矛盾はなかったことにされ、それは考えないことにしていました。また、グラベルロードバイクや多目的に対応したロードバイクが登場してもなお、”体力がない人ほど移動するために苦しみを伴う”ことに変化はありませんでした。
そこにEバイクが登場しました。Eバイクは移動するために苦しみを伴うことが激減し、より多くの人に自転車での旅を実現しやすくなりました。その範囲も劇的に拡大したことで、自転車の価値もまた圧倒的に拡大したわけです。「Eバイクでは運動にならない」と、またここで抵抗する勢力もあるわけですが、残念ながらそれは見当違いです。ペダルバイクでの行動範囲をどんどん拡大できる人は、”激しい運動”を伴って問題ない人であり、その痛みを許容できる方です。一方、普段運動していないか、あるいは激しい運動を避けたい方は、Eバイクによる”適度な運動”を長時間続けることでこそ、その人に適した運動をすることが出来るでしょう。
矛盾からの開放
自転車で旅がしたいと願った。しかし、体力が不足しているので諦めたり、それを培うために苦労した。旅ではリラックスしたいのに、体力的に精神的につらい状況に追い込まれ、またそれらもマネージメントするのに知識を付ける必要があり、苦しい思いを伴った。
それが自転車が持つ矛盾でした。
だから、人々はサイクリングに誘われても「いや、やめとくよ」と断ることが多かったでしょう。
Eバイクにより自転車はより自転車たるものとなり、自転車が本体持っているポテンシャルを発揮し、人々が自転車に求めていた移動手段としての理想に近づきました。これにより、多くの人が気軽に移動することができ、その移動範囲は大変広く、また地形も選ばなくなりました。
クルマは常に道路と駐車するスペースに依存します。そのつくりがいくら整備されようとも、一台に複数人乗車して移動する以上、その集積性から、駐車する場所での人々の集中は避けられません。コロナ以後において、クルマは時代に適さない移動手段となります。すでに原油高による燃料費高騰が目立っていますが、今後は人口が減ることや社会情勢の変化による保険料上昇が続き、車体本体価格も上がることで、購入し、維持するコストは更に高くなっていくでしょう。オートバイも同じで、今はとても高くなりました。
それと相対してみますと、Eバイクはとてもリーズナブルです。維持費も大変安い。”維持費がかからない”というのはフィクションです。使えば整備が必要であり、それにはコストが掛かります。しかし、毎月定期的にかかるものがないということです。乗るためのコストが圧倒的に低い。
そのため、オートバイやクルマからEバイクへシフトする方が大変多くなっています。それは旅そのものを団体から個人へ、皆が集まる場所以外へ、非日常感を求めて、あるいは国内旅行への回帰というポイントが素地にあるからです。
マイクロツーリズムという言葉もありますが、それにEバイクは大変マッチしており、フィットすることこの上なく、むしろそれ以外の方法に関しては大変コストに無駄が多く、ストレスフルに見えてきます。
流行ってない頃が天国
何でもそうですが、流行ってから飛びつくのは遅いのです。他の人がやってから、人々の行動を見てそれを真似るのは遅い。同じコストを出す場合、先取りはリスクが大きいと思われることが多いですが、私は逆だと思います。人々が行うことを自分が行うのが正解とは限りません。その点でもリスクを無視する傾向はありますし、多くの人々が同時的に行うので混雑するため、同じコストで得られる楽しみに対してストレスも増します。自らが主体的に考え、それをしたいタイミングですることがよく、できることなら人々が行っていないことを行う方がコストパフォーマンスが上がります。
その意味でこれまでの2年間はEバイクにとって天国でした。私が乗っていても同じような人に出会うことはなく、それが何なのかを尋ねられるものの、全く心を寄せるということはありませんでしたので、自分だけの時間・場所・価値を感じることができました。
私はここからの2年間もまだ、同じ状況は続くと思っています。もちろん、バイクの供給が少なくなって状況で、「新しいユーザーが激増しないのは当然だろ」と思われるでしょうが、それでも買えるバイクはあります。それを利用し、この状況で自分にとって楽しい旅を自転車で実現することは可能です。
ぜひ当店へ相談してください。
一緒に旅の計画をしましょう。