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具体的にはどうすればいいのか
コロナ禍、あるいはコロナ以後において、旅をする際に気にするポイントはこれです。
ポイントは
1:団体旅行から個人旅行へのシフト
2:脱インスタ映え
3:非日常への出奔
4:国内回帰
です。
これらについては以前からこのブログやYoutubeで繰り返し申し上げていることなので、何を今更という話ではありますが、それも印象の薄い方や初見の方には新鮮さがあるかも知れません。
個人旅行へのシフト
これは”蜜を避ける”という意味になりますが、単にストレスを遠ざけたいという意味にもなります。ウイルス感染対策的な意識に加えて、自由を謳歌したいということでもあるだろうと思います。これまでのバス旅行やツアーは減り、個人での旅行が多くなるでしょう。
脱インスタ映え
SNS発達以降の旅行は、もはや旅行という消費ではなく、労働に近いものであるというのは、大山顕著「新写真論」にある通りであって、インスタ映えはその写真そのものより、その場所にいるのだということをアピールするものです。その場所は皆が集まる場所であることに意味があり、人々のアクションをトレースすることに価値があったわけです。
しかし、コロナによってそれも終わります。
今後は皆が集まる場所ではなく、自分だけが知っている、自分だけが味わえる、自分だけの場所や時間を求めて欲望するだろうと思います。それには知識が必要です。ガイド本やネットの観光情報サイトで調べるだけでは、人々と同じ行動になるわけですから、”裏をかく”ためには調べる能力が欠かせません。みんなと違うことをするにはどうすれば良いのか?と考えるわけです。
非日常への出奔
これは大きなポイントです。旅は非日常を欲するものであり、日常を忘れるためであり、そこから逃げるものです。それは出奔という言葉でも表せます。しかし、今までのスタイルでの旅では、そこから逃れられません。人々と同じ行動をすることは、コロナ以後において、むしろコロナ以前以上の集中を生むだろうと思います。
非日常を作るには人が多いところはダメです。社会生活からある程度の物理的距離を離れることも必要ですし、人と人との擦れ合いもないほうが良い。在宅でのテレワークや自宅にいる時間が増えるなどしたことで、旅にはより一層の非日常感を求めるということになるでしょう。
国内への回帰
海外への旅行はまだまだ容易ではありません。恐らく、ビジネス出張が2023年くらいから戻り始めるものの、一般の海外旅行がコロナ以前まで戻るかと言うと、私はそうなるとはそうは思いません。旅に対する意識の変化、つまり価値の変化があり、それは不可逆性を持っていると思います。コロナを経て、世界はもとに戻るのではなく、新たなカタチになる。それを新しい日常というかはさておき、旅への欲望も欲求も変化していくのです。
海外へ行くことができないことで、国内を再発見する機会の創出があり、国内でも非日常感を演出、あるいは感じることができるように変化しています。国内にもたくさんのワクワクがあり、おもしろいものがあります。”観光を観光地を周るもの”だとしていたコロナ以前の昭和的観光から、各々の価値観に応じて自分スタイルの身の丈にあった旅を作るというコロナ以後の新しい令和的観光へとシフトするでしょう。
ポイントは自転車
ポイントは自転車の活用にあることは、これを読んでいる方には自明でしょう。自転車のその自由さを活かし、ありとあらゆるところへ移動できます。移動した先では駐車スペースの有無に悩まされることはないでしょう。たとえ、ある場所に自転車で行く人が増え、駐輪スペースが限られたとしても、それを創出するコストはクルマのそれに比べれば桁違いに安く済みますから、自転車が日本のあらゆる場所で生活空間を拡大していくことは時間とともに増えることでしょう。
好奇心と観察力
行く場所も遠ければいいというものではありません。非日常、それは身近なところにもあるでしょう。何十年と生きてきて、それでもまだ見ていないものは多くありますし、知らないこともまだまだあります。自宅近辺の歴史、文化、寓話や伝説、まだまだ面白そうな事はあると思います。遠くへ行くことではなく、自分が住んでいる地域や生まれ育った地域を再発見する好奇心を発揮し、観察力を高めるサイクリングトリップをオススメします。
クロスバイクでも、ロードバイクでも何でも良いと思います。むしろ、MTBの方が良いと思います。なぜなら、スピードが遅いからです。ロードバイクのようにスピードの速い乗り物に乗って、かつ息を切らしながら、何かを観察したりするのは困難です。多くの道を走れるほうがよく、タイヤはある程度以上の太さがある方が良いでしょう。
さらに付加価値を高めるEバイク
Eバイクにより、これまで自転車に乗って旅をすることなど”想像もしたくなかった人(笑)”でさえ、それを実現することへのハードルをいくつも除去されたように感じるでしょう。もっとも大きなハードルである、”つらさ”を除去し、それによって制限されていた”自由な移動”をついに実現することが出来るのです。また、他のポストでも書いていますが、どんどん高コスト・高リスク化するクルマやオートバイでの移動と比較して、あまりにも安いその購入単価と維持コストはクルマやオートバイの世界から移籍する人を増やす効果を発揮しています。楽しいことをしたい、そのためのコストは安いほうが喜ばれます。
まとめ
私は人間は移動を楽しめる唯一の生き物だと思っています。他の動物は捕食するか睡眠するか、そのいずれかの時間しか持たない場合が多く、むしろ睡眠すらまともに確保しない生き物も多くいます。人間と他のいくつかの生き物は遊ぶという概念を持っています。人間は必要に応じて移動してきた歴史はあるものの、同時にそれは遊びでもあったのだと思います。私は移動しているだけでストレスが減ります。移動することで楽しいと感じます。もちろん、それに一定のストレスを伴うので、そのバランスが崩れる場合はありますが、移動することを禁じられるならそれは大変なストレスになります。マウスでも狭いより広いほうが、あるいは遊び道具はある方がストレスは減りますが、人間のそれは他と違い、感情にまで影響し、多くの症状を発症するでしょう。
旅をしない人はいないと思います。また、旅を楽しめない人はいないでしょう。もし、したくないと思うなら、それはむしろ、ある特殊な精神状態にある可能性があると思います。人間は移動したい。そして、旅をしたい。今後の旅を企画するにあたり自転車ほど優秀な移動手段はなく、ツールはなく、まさに今後の旅の主役級のポジションにあると言えます。もちろん全体のシェアで言えば、クルマや電車には敵いませんし、それらと合わせて力を発揮するわけですが、自転車が旅に提供する価値の大きさはどんどん大きく認識され、知れていくのだろうと思います。