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REACTOからSCULTURA ENDURANCEへ乗り換える
これは私個人に起きた、起こしたアクションであって、個々が何に乗って走ろうと興味のない方もいるわけですが、私が言いたいのは私の歴史ではありません。一般的に、ロードバイクは軽くてレーシーな方がよく、速く、誰にとっても良いと思っている(思わされている)わけですが、そうではありません。私はMERIDAがせっかく4つものシリーズにおいてロードバイクを展開していることを知っていただきたいし、その理由も伝えたい。それを知れば、自分がどれを買うべきかも考えることができ、”失敗しない選択”をすることが出来ると思うから。
ロードレーサー、ロードバイク
ロードバイクを以前はロードレーサーと呼びました。途中からものが変わったのではなく、ロードレーサーを買う方の中にレーサーでない方が増えたため、呼び名としてアレルギーの少ないものに変えたわけです。しかし、ロードバイクがレーサーであることに変わりはなかったので、その溝はだんだんと広がっていきました。いや正確に言えば、以前にも非レーサーな方はいたのですが、”レーサーであることを理解して使う方”が多かったし、その溝があることも理解していたように思います。その上で「好きだから使う」と自分で決めていたと言えるでしょう。
しかし、今は自転車以外でもマイノリティがそれぞれのアイデンティティを発揮し、認めてもらうという世の中になっており、自転車においてもロードバイクが細分化し、「私に最も良い自転車はどれなのだ?」と考えるようになりました。
速さの実現へ
ロードレーサーであれ、ロードバイクであれ、速さを目指すことに変わりはありません。”ゆっくり走る派”の方はそれを否定されるケースもありますが、あくまで相対値であって、「楽に走りたい」という限りそれは速さを含んだ話でないと成立しません。そうであるならば、どういう設計にすればよいのかと考えるわけですが、セールス的にはエモーショナルな要素を狙うほうがよく、カタログ重量、パーツのスペック、あるいは第一印象での軽さにより、その速さを想像させるでしょう。また、フレームの設計も上り坂での軽さを実現しようとするため、フロントセンターが短縮され、フォークのアングルは立ち、ホイールベースも短くなりました。ゆえ、ロードレーサーと呼ばれた時代のほうが乗りやすく、むしろロードバイクと呼ばれてからのほうが”設計的に詰めている”のではないかという矛盾があるように思います。
多様化する利用者と目的
サイクリストは以前より増え、日本でも海外でもレーサーではない人、レースを目的としない人が増えました。もはや、レースをする人こそマイノリティとなりました。そのため、ここ数年の間に非レース系ロードバイクが増えていることと思います。
理想と現実を知る
実際のところ、ロードバイクは簡単に扱える自転車ではありません。ロードバイクが簡単であるとするのはフィクションであり、またそれは危険な点を見せないようにしたり、安全ではなく安心を植え付けるためのメッセージでしょう。タイヤ幅が細くて乗りにくくないのか?パンクしやすいのではないか?滑りそうにならないのか?という問いは、ロードバイクに興味を持つ誰もが思い浮かべることです。この問いに対する答えは「Yes」です。タイヤが細くなるので、それはそうでしょう。その上で、その自転車に乗るための技術を体得するものであり、そうあるべきであり、その上に楽しさを構築する(しうる)ものです。
上手くなることと速くなること
上手くなることと速くなることはつながっています。上手くなることだけを速さと別に手に入れるのは難しく、逆もまた然り。なぜなら、そのどちらもがペダルを使ってこそ実現できるからです。楽に走りたいと思う方は最も多く、それにはある程度速さを目指す必要があり、速さを目指す過程で上手さも手に入ります。言っていることがわからなかったり、繋がらない方もいると思いますが、これは事実です。
時間を積み重ねることが大事
あるスポーツの習熟度を上げるには、プレーせずに考え続けていてもそれを成すことはできず、頭をどれだけ使っても使わなくても、一定以上のプレー時間を積み重ねる必要があると思います。まれに、プレー前からそれが何かというポイントを掴んでしまう方もいますが、ほとんどの方はそこそこプレーしてみる必要はあるでしょう。その積算時間を積み上げる過程で必要なことは楽しさであり、怖さではないのは自明だと思いますが、理想のロードバイクをそれと同時に作り上げる際、むしろプレーしにくい、余裕が生まれない道具を作る方向へ極まってしまうケースがあると思います。
チャレンジしやすい環境と道具を手に入れる
よくある質問としてあるのは「初心者に最適なロードバイクはどんなものか?」というものです。先に書いた内容からわかると思いますが、プレー中に余裕が持ちやすい状況を生む道具が良いと思います。とはいえ趣味なので、目的に対してコミットメントしないような、あえて非合理で不自然な道具を選んだり、環境を作ることも自由です。ただ、私はできるだけ長く自転車で楽しく走り、過ごすために、ある年齢に達して以降は怖さや嫌な気持ちになりにくい道具選びをするようになりました。