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MTB界のスーパーレジェンド「ホセ・アントニオ・ヘルミダ」
元世界チャンピオンでもあり、引退後はガンリタ・ダールと一緒にメリダのブランドアンバサダーを務めているホセ・ヘルミダがバーレーン・ヴィクトリアスチームのトレーニングキャンプを訪れ、取材してくれた動画があるのでご覧ください。
使用される自転車は100台、ホイールは300セット
ホセは長い間、マルチバン・メリダ・バイキングチームで選手として活躍していました。2012年から2014年には、私もスペインで行われたプレスキャンプを訪れ、ホセやロードチームとも交流を行いました。ホセは自転車レースをほんとうによく知っているだけではなく、すべての選手から尊敬される素晴らしい人物です。そんな彼だからこそ聞ける、踏み込める、内部を知ることができるとてもいい動画に仕上がっています。
変化しているチーム体制
かつてメリダはMTBを主力としていました。それは販売面においても、レース活動においてもです。マルチバン・メリダ・バイキングチームはメリダ直系のワークスMTBチームとして13年間にわたって活動していました。チームスタッフにはメリダのドイツにおける代理店であるメリダ・センチュリオン・ジャーマニーとの関わりがとても大きく、メリダの開発拠点であるドイツとの関係性が密なのはとても自然なことだったと言えます。
しかし、マルチバン・メリダ・バイキングチームがなくなって以来、マルチバンのチームマネージャーだったアンディ(アンドレア・ロッター)は、現在メリダヨーロッパのゼネラルマネージャーに就任しています。マクラーレンがスポンサーになった2019年、チームスカイでまたデイブ・ブレイルズフォードの下でスカイを支えてきたロッド・エリングスワースが新しいバーレーン・マクラーレンのチームプリンシパルに就任しました。ランプレ・メリダの頃はイタリア、バーレーン・マクラーレンからはイギリス、そして、バーレーン・ヴィクトリアスからはドイツ色が強くなったように見えます。
紆余曲折はあったものの、最終的には再びドイツとの関わりが深くなったように見えます。動画の中でもありますが、メリダR&Dのエンジニアがメカニックとして帯同するチャンスを増やすことで、製品の開発の精度を上げ、ペースを加速させることにたいへん役立っているようですね。通常のロードチームはある程度のナショナリズムが働きやすい状況は多く感じますし、チーム体制やスタッフに関してもその国籍に沿って揃えられ、やや閉鎖的に感じます。
ランプレ・メリダ時代には、スター選手であるイタリア人の中でもベテラン勢から、私はとても”ツンとした”雰囲気を感じました。同様の話は他でも聞くことができます。ロードレースでのそれに対して、MTBではチームを取り巻く雰囲気がとても柔かく、朗らかな印象がしました。その意味でバーレーン・ヴィクトリアスは開かれたチームになったかのように見えますし、それが昨シーズンの目覚ましい活躍に影響しているのかも知れません。
今年も素晴らしい活躍を期待します
プロチームは全18チームありますが、バーレーン・ヴィクトリアスは上から数えても上位にあたる予算規模を誇り、昨シーズンはパリ・ルーベをはじめとして、とても多くの勝利を上げました。これほどまでの活躍をするなら、マクラーレンも契約を継続しておけばよかったのに笑