なぜオーバーホールが必要なのか

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オーバーホールとメンテナンスの違い

オーバーホールってなんでしょう?オーバーホールとは自転車のパーツをひとつひとつ取外し、必要とあら分解をしたり、故障箇所があれば修理をし、パーツ単位の摩耗など損耗具合をチェックし、完全に動く状態として組み立て直しを行うことです。

メンテナンスは、自転車が動く状態にし続けるために、あくまでも日常的に行うべき維持管理のための軽作業のこと。分解などをし、徹底して整備を行うオーバーホールとは、手を入れる深さも幅も違います。メンテナンスは、使用者が自ら意識していることや気づいたことにだけフォーカスし、それだけを部分的に修理や調整作業を行うことで、時間も短く費用もお手頃に済ますことができます。しかし、使用者が気づかないことについては、たいてい放置されますので、それをまとめて行う機会の1つとしてオーバーホールが必要です。

[ まとめ ]
日常で行うべきメンテナンス(維持管理のための作業)を常日頃、事細かに行い続けていれば、オーバーホールを行う必要性は下がります。しかし、長期間にわたって日常で行うべきメンテナンスを怠ってしまい、自転車に不具合が発生してしまったり、走行不能に陥ってしまった場合には、オーバーホールを行う必要が生じます。

普段やるべきことって何だろう?

よく聞かれるのは
「スポーツ自転車に乗っていて、いったい普段から何をやっておけばいいのでしょう?」
ということです。

この質問をされる方が期待する回答は、「〇〇を洗うべし」とか「〇〇に注油すべし」などということかと思いますが、ぼくの回答はこうです。

「歯磨きしてください」

大抵の方は「は?」と思われるでしょう。「歯磨き?自転車の話してるのに?」と。自転車という機械をいじる場合、自転車だからととてもイージーに感じてしまう部分もあると思います。確かに、カジュアルにやって良い作業もありますが、シリアスなケースもあります。また、それぞれの所有者(サイクリスト)が自分でできる作業の限界は、各々で異なります。さらに言えば、まずは気づきを得ないことには、作業すべきであるという段階に至りません。

これを「歯磨き」という抽象的な表現を通じて理解していただきたいのです。

密かに迫りくる不具合の兆したち

自分で気付けることには限界があります。その限界は、人それぞれ違うもので、どこまでわかることが最適だということではありません。それぞれ違うし、人には限界があるということです。ですから、機械がわからない方や不具合に気づけない方が、それをネガに思う必要はありません。ただし、その不具合を放っておくという目標設定は共有しかねると思います。「気づかなければ、そのまま放っておけば大丈夫だ」というわけではないということです。別の人の目や経験値のある人の目を利用することで、密かに迫りくる不具合を潰し、安心して走れる自転車にしておきましょう。