この記事は約 4 分くらいで読めます
おじさんには最高でした、ただそれだけではない
まあ、自分のことを”おじさん”というような、自虐的な言い方はあまり好みませんが、この場合にはあえて使いました。まあ、そういう映画です。つまり、まだまだやるよ、できるよというやつですね。それはトム・クルーズ自身だけではなく、観客にもメッセージが向けられているんだと思いました。
トップガン マーヴェリックは最高すぎましたね、3、4回泣きました…
まだ鑑賞していない方にはネタバレを含む内容になりますので、続きを読むかどうかはご自身でご判断下さい。
シナリオに無理があるのはそれはそれだと思います。軍事的あるいは政治的知識をもとにツッコミを入れるのは野暮というものです。そんなことはどうでもいいのです。そんなのはドン・シンプソンとジェリー・ブラッカイマー+ハンス・ズィマーの時点で分かりきっているのです。だって、ザ・ロックやアルマゲドンにそんなツッコミはしないでしょう?と。
とても良かったです。ヴァル・キルマー出すのは反則ですね…。咽頭がんになり、実際に声を出すことが難しい。もう出演はないと思っていました。それがまさか…。
トムと2人の俳優生活の全てがあの抱擁に集約されていました…😭
トップガンから始まった俳優としてのキャリア。もちろん、トム・クルーズには他のほんとうに多くの作品もあるけれど、やはりトップガンは大きなステップだったと思います。そこからいくつもの大きな作品を経て、アクション俳優としてマスターピースになったトムに対して、セイントで一世風靡したものの、それ以降はあまり作品に恵まれなかったヴァル・キルマー。でも、きっとこのマーヴェリックはヴァルの遺作になる可能性はありますから、実際に作品中のアイスマンが亡くなるシーンでは、本当に二人の未来が描かれているようで、もう堪えられませんでした。
ヴァル・キルマーをCGにするとか、声だけを合成音声にもできるけれど、それをやらない。それがよかったです。冒頭から無人機になりパイロットは不要であるとの未来を告知しつつ、「Not today」それは今じゃないんだ、まだやるんだと言うトム。まだ自分が生きているうちは、そうはさせないんだというメッセージ。
前作のモチーフ満載でしたけど、それはわからない人にはわからない。また、老齢の恋愛など見たくない人もいるでしょうから、主に若い人や当時の時代の記憶がない方や、共感できない方は、クレジットが流れ出すと同時にそそくさと退散していたようでした。年寄りの恋愛を観たくないというのは、まあ単なるエイジズムなので、聞かなくて良い意見だと思います。つまり、本人が若いからであって、意見も若いという印象ですね。誰もがいつか歳を取るわけで、”自分はそっち側ではない”とカテゴライズして安心するだけでしょう。
久々に真っ当なハリウッド的作品を映画館で観ました。エド・ハリスの老け具合もよかったですね。彼も軍人役をやることが多かったから、コンテンツの中のエド・ハリスと、俳優としてのエド・ハリスが重なって見えます。キャストに全体として軍人であり俳優でもあるようなクロス感の印象を強めているようで、それは監督であるコシンスキーが狙っていることなのでしょうね。それに加えて、人間はいらなくなるみたいな空想に対して、人間は必要なんだという、現代社会へのメッセージも追加されているのは、彼自身が俳優として生きているということ自体により表現されているんだろうと思います。めっちゃよかった!
コンテンツの外側と内側の区別をしたい人が日本人には多いというのは、そうかもしれませんね。でも、ぼくはそうじゃない見方もあると思います。今の年齢でやるからいいのであるし、今回の若い俳優たちも、自分たちが年とった時にまた思い出すんだと思います。撮影の前の訓練も、トム・クルーズ本人が自分がやったことを若い俳優に教えているので、それは映画の中で起きていることとそのまま重なるんですね。トムはその両方を信じていた。それが泣けます。
その意味ではまだ続編を作れるかもしれないと思いました。トニー・スコットらしさが詰まってるのもよかったですね。すべてのシーンにリスペクトが溢れていました。トロン・レガシーもよかったし、オブリビオンでトムとの関係もあり、声がかかったのかも知れないけど、ジョセフ・コシンスキーってそういうのがうまいのかもしれないですね。
なお、父に良いよと伝えたら、今日観に行ってました。もうずっと泣いていたらしいですwww