man and woman riding electric bikes

[コラム] 知らずに買ったので問題ない?悪くない?

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徐々に火がついてきております

気軽に乗ったら犯罪行為になることも。違法電動モペットの購入はやめよう(難波賢二のe-bikeアラウンド)

電動キックボードの件と比較しますと、やや下火な感じもしますけれど、自転車界隈ではすっかり話題になっております。

問題は
・出力オーバーなどしている電動アシスト自転車
・スロットルだけで走ることができる電動バイク
です。


いずれも違法となります。

こういった話題になりますと、なぜか、「見つからなければわからない」とか、「公道で走らなければ良いのでしょう?」とか、逃げ道?を探すスタイルが見られるのですが、現実的に考えて見つかりますし、公道で走らないなどということはできないでしょう。前者は見たらすぐわかります。ぼくらですら、決められた速度以上でアシストが効いている様は漕いでいる様子から見分けることが容易ですし、警察官は走行速度をパッと見で当てるのが仕事の一つです。後者はいうまでもなく、そんな場所はありませんよね。

お店で売っているから大丈夫?

「お店の人が大丈夫だと言っていた」はありがちなケースです。しかし、それを使用した人の罪は軽くならないでしょう。お店は安心、安全、信頼とともに商品を販売するものですが、そうではないケースもあります。

流行り物はよく売れます。売れるとなると、他業種からの参入が増加します。自転車販売は”許可制ではありません”ので、アパレル店でも、飲食店でも、自由に自転車を販売することが可能です。また、通販で販売することに対しても規制はありませんので、ちょっとした資金を元にして手軽に気軽にビジネスを開始することができます。

クラウドファンディングで「1日で300万円集まった、人気の電動アシスト自転車」というキャッチを見かけたことがありますが、一台20万や30万だったので、全国から10台くらいの注文を集めればいいだけなので、あっという間です。流行りものなので、安いだけで買う人はいくらでもいます。

「それってクラファンだからでしょ?私は通販で買わないし、実店舗まで行って買うから大丈夫!」と思うじゃないですか?でも、それもわかりません。

実際、1月16日に適合品と嘘をつき違法な強力電動アシスト自転車販売していた企業が摘発されています。この企業には実店舗も存在しており、通販と両方から販売していたようです。一昨日、うちの近所のあるお宅の下には、この店舗が販売していた違法車両が置いてありました。
違法な強力電動アシスト自転車販売、初の摘発 京都府警、適法品と虚偽疑い(京都新聞)

使用した人も罰せられます

「責任を持つのは販売店であり、問題ないということを信じて買ったし、ルールがわかりにくく知らなかったので悪くない(問題ない)」

という声も見かけたのですが、そんなことは通用しません。ご自身が誰から、何を購入し、どこでどう使うのかは、しっかりと自分で責任を持ち管理することですから、「騙された」といっても、違法な車両を公道で使用したという事実は残りますし、罰せられます。

売れているから大丈夫?

すでに違法車両を見かけたことがある方もいらっしゃると思います。ぼくもしょっちゅうみかけます。一日街に出ますと、数台は見ることもありますし、見ないことはないくらいです。墨田区に限らず、都内の広い地域で利用されているようです。「いや、それだって違法かどうかわからないだろう」「検査しなければわからないだろう」と思われるのは自由ですし、法に対してどう考えるかも自由だと思いますが、ぼくが一見してわかるくらいなので直ぐにバレます。

「どうやら自転車では有名なメーカーらしい」というケースもあるでしょう。しかも、自転車専門店で販売しているとなると、これはもう「疑う余地はないだろう」と思われるでしょう。しかし、ぼくはわからないですよと言っています。実際、マニア向けなメーカーの集まるような、スポーツEバイクの合同試乗会で”明確に速度オーバーしてアシストされる製品”を見かけました。ですから、「自転車が好きな人がおすすめしてくれた」としても、それは合法であることを担保するものではないということです。

型式登録された製品を購入しましょう

ぼくがおすすめするのは「型式登録された製品を購入する」ことです。

型式登録とは:法律に違反していないこと、メーカーや代理店の信頼、アフターサービスの程度、製品の強度や安全性にいたる幅広い項目に対して、国による検査を受け証明するもの

型式登録は義務化されていませんので、登録していない製品も販売することは可能です。先程申し上げましたように、誰でも売ることができますから、どの程度の倫理観をもとに商売を行うかに関して、”単に信用すること”は危険なように思います。大丈夫だと聞いていても、書いてあっても、ダメなものが販売されている状態です。

そのような現在においては、型式登録された製品が唯一、法律に違反していないことを公的に証明するものです。「24キロでアシストがカットされればよいのでしょう?」というシンプルなものではなく、アシストの計算はもうちょっと複雑です。そのためには速度センサー、トルクセンサー、ケイデンスセンサーが全て必要なのですが、どうやらそれらのセンサーの装備を満たしていないものがあるようです…。そうなると、アシスト力の計算を法律に則って行うことができませんから、合法であることは無理だろうと思います。

最大2倍という、踏力に対してのアシスト力の加減も、実はメーカーにより異なります。「え?みんな2倍なんじゃないの?」はい、実は違うんです。アシストを2倍より低く抑えています。それはアシストは電気で行うため、電圧が一定ではないからです。バッテリーの温度や残存容量の条件によって変化してしまう電圧を鑑み、最大2倍まで許されているアシスト力を遠慮気味に設定します。そうしないと型式登録の検査を通過する可能性が低くなり、違法となってしまう可能性が上がります。ゆえ、メーカーや代理店によってアシスト力の最大値を2倍からどの程度低くするかは異なります。つまり、型式登録していないメーカーや代理店は、2倍ギリギリまで出す可能性が考えられます。比較された場合、パワーがある方が売れる可能性が高まるからです。また、型式登録を行わない場合には、アシスト力以外にメーカーや代理店の信頼や規模、アフターサービスの程度、製品の強度や安全性などについても全くチェックされずに販売されます。

ぼくは型式登録をしないすべての製品が違法であり、買うべきではなく、間違った方法であるとは言っていません。ただ、登録するメーカーとしないメーカーでは、法律やマーケット、あるいは使用するユーザーに対する考え方は、明確に異なるということです。ですから、購入する方はどちらのメーカーに同意するかを考えるべきかと思います。

型式登録をして販売するメーカーは、ユーザーに安心して、安全で法律を違反しない電動アシスト自転車を利用してもらい、楽しい時間を過ごしてもらおうと考えています。また、ぼくもそう考えていますので、基本的に型式登録された電動アシスト自転車のみを販売するものとし、修理やメンテナンスに関しても登録されたもののみを対象としております。

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