grey foldable ebike

[コラム] 電動アシスト自転車と称した製品に注意

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警察庁もデータを持っているようです

本日、消費者庁よりツイッターへ下記のような投稿がありました。

先日取締の対象となった国の基準を上回るアシスト力を発揮する京都の販売店「京の洛スク」で販売されていた2車種に加えて、他の8車種についても基準を上回る可能性があるということになっています。

当店の近隣でも、当該車種を一度見かけました。また、関東圏あるいは都内で販売されている車種についても、状況的に基準を上回っている可能性が大変高いと思われる車両(自転車ではないので、あえて自転車とは呼びません)がけっこうな台数走っていることは、道路の日常的に利用する多くの方が認めていることでしょう。

こうした現状を鑑み、さすがに放置してはおけないと悟ったのか、国も動き始めているようです。

販売店は…

まず、当店では違法な製品は販売していませんし、型式登録済みの電動アシスト自転車のみを販売する自転車店も信頼できる店舗です。しかしながら、”面白ければ売ってしまうお店”があるということです。なお、自転車点は登録制でも許可制でもありませんから、これを読んでいるあなたが明日から自転車を販売するということが可能です。

つまり、売り逃げが容易なのが自転車なのです。

その上で今回の事象を捉えてみてください。責任を持って販売するとはなんなのか、どういう方法を選択するのかについて、販売店を選択する場合には考えてみてください。カフェやアパレル店の店頭で販売されている自転車の類いをどこまで信頼するか?ということです。なお、〇〇サイクルという店舗名でも、京の洛スクのように倫理観が欠落したケースはあります。むしろ、氷山の一角だと言えます。当店で扱っているブランドの代理店さんでは「怪しい車両を販売する店舗には卸しません」とはっきりおっしゃっていますから、店を選ぶことは可能です。

ぼくがすごいと思うのは、すでに数ヶ月前の段階で”明確に違反する動きを見せる動画がSNSアップされている車種”にも関わらず、まだまだ都内や関西圏に複数店舗を構えるお店では売る気満々であることです…。ちょっと、どういうことなのかわかりません。ファション系メディアでは、今まさに取り上げていたりするわけで、「知らなかった」と言えるほど、情報が枯渇した令和の世の中ではありませんね。

これは推測になりますが、上記車種はトルクセンサーを備えていないものと思われます。ゆえ、ケイデンス(ペダルの回転数)のみでアシストトルクの計算をしているものと思われます。これでは踏力に対して最大2倍、あるいはそれが徐々に小さくなるという日本の法令を守ることができません。スピードセンサーがついており、24kphでアシストが切れればOKというわけではありません。このトルクセンサーに関わる部分に、つまり日本国内仕様に対応してくれるドライブユニットメーカーは多くありません。安く売ろうとするメーカーにはまず無理です。

代理店は…

シマノがEバイクのSTEPSユニットを国内展開する際、日本国内での完成車組み立てラインを作ることまで条件に入れて国内5社に絞ったのは、「信頼できるところがそこだから」でした。ミズタニ自転車、ミヤタサイクル、アキコーポレーション、深谷産業、BESVなどがそうです。

しかしながら、自転車は販売だけではく、輸入も卸も誰でもできますので、「これは儲かる」となれば、いくらでも異業種から参入されてしまいます。この自己防衛力の弱さは業界そのものが望んでいる状態であり、それには末端である小売店ほど問題だと思っています。

この度のEバイク騒動にしても、多くの代理店が出現しており、玉石混交ということばでは表せない、かなりめちゃくちゃな状態です。

こんなこともありました。一連のスレッドを読んで頂くことをおすすめします。実際にどの様な文脈で発言されたことなのかは、大切な点かと思います。「一応念書とってますし、もし走っても捕まらないんで大丈夫です」だとたいへんまずいと思います。果たして、公道を走らずに私有地だけで遊ぶような個人がどのくらいいるのでしょう?モトクロスバイクならわかりますが、Eバイクは自転車ですからね…。

もちろん、公道で使用しなければどんな車両であっても使用することは自由ですから、当該代理店がそういった車種を販売することは自由です。ただ、発言の主旨というのは大事だとは思います。

今後はどうなる

おそらく、明らかに公道では違法だとすぐに分かるような出力を発揮した状態で、現場で捕まらないからといって走れる状態は、そう長くは続けられないだろうと思います。現在でも、かなり多くの情報が上がってきているでしょうし、人々も気がついてきています。

警察にはぼくも問い合わせており、今後も情報提供については行うのですが、「現場での出力を理由にした取り締まりは事実上不可能」なんですね。それはそう言われたからというより、まあそうなるだろうという理解でもあります。日本の警察は”だろう”では取り締まれません。その場で証明する必要がありますが、それをする方法が今はありません。ゆえ、車種による判別ということになりますが、それもあやふやです。リペイントされたらわかりませんね。ですから、販売元や卸元への取り締まりということが現実的に可能だと思われますし、その方向で動いているのだろうと思います。

いずれのケースでも同じだと思いますが、つまりは車やオートバイでも、人目につかないようなところでコソッとやる分には見逃されることもあるでしょうが、今回のケースでは街中に溢れ出しているので放置はされないだろうということです。

たかが自転車かも知れませんが、違法を疑われる車両でも安くても20万くらいはします。あるいはカスタムを施した車両で70万円ちかいものまであるようですが…、それが使用できなくなり、なおかつリセールバリューもゼロに近くなるとわかれば、買う人は減っていくことでしょう。早くそのような世界になり、正当な競争の行われるEバイクマーケットになることを願います。