SILEX 400で林道探索…の予定が…

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SILEXを2018年にデビューさせたメリダ

メリダがSILEXをデビューさせたのは2018年でした。それから約5年が経過してもなお、大きなモデルチェンジなしにここまで販売を続けています。販売を続けられるということは、単に古くなっていないという意味でもありますが、それを使って行う遊びがいまだに行われているということです。

2018年といえば、”グラベルロード”の”グ”の字もなかったころですね。本格的なグラベル云々は2021-2年ですから。正確に言えば、SILEXはグラベルロードではありません。先程書いたように、その言葉がなかったことからあったので、出自が異なります。では、SILEXはどこから生まれのか、それは先日いくつかアップした記事にあるように、日常からアクセスできるちょっとした非日常やスモールアドベンチャーを楽しむためのバイクです。なんか大げさに書いていますが、要は旅のためのバイク。旅というと、何日もかけて走って移動するものを思い浮かべそうですが、そればかりが旅ではありません。日常の中で自宅にいたり、会社にいたり、仕事をしていたりする以外の時間に、ちょっとした隙間にできる旅もあります。

SILEXはオンロードもオフロードもどちらも捨てないそんな自転車。カテゴリーとしてはロードバイクの中に展開していますが、走った感じはMTBのそれに近い味付けです。ジオメトリは29インチのMTBであるBIG.NINEをベースにしています。なんとも不思議な、捉えようのないジャンルですが、それを2018年の段階でズバッとリリースできたのは、またそれが2023年にまで継続できたのはなぜなのか?

それはドイツでの伝統的な自転車遊びである、ツーリングがあったからです。ツーリングと言いますが、トレッキングから想像するものに近い遊び方です。日本より小さな規模の街の外側には、森林や比較的な郊外が広がっています。そこでする小さな冒険、非日常の遊び。それがドイツで最もメジャーな自転車でのレジャーです。だから、ドイツではMTBがよく売れます。

しかし、MTBの欠点は?それは走りた重たくなってしまうこと。悪路での走破性を得る代わり、舗装路での走りた重たくなってしまう。これは単にタイヤの太さだけに起因しない、フレーム設計そのものも大きな理由です。SILEXではオフロードでの走破性を一般的な旅で要求されるラインまでにし、その代わり舗装路や砂利道での軽快さや加速感を増すことにしました。このバランスが本当に素晴らしいので、皆さんに是非体験して欲しいのです。

SILEXは100キロを越えてのサイクリングで距離を伸ばすより、ある一定の範囲で楽しく走れる場所を増していく楽しみ方に適しています。より遠くへ、より楽しく走れるロードバイクですから、これは昨今のグラベルロードとは異なりますよね。

グラベルロードという波が来るのは、もちろんわかっていたでしょう。それでも、メリダらしさとしてSILEXをそれに先立ってリリースしたのは、多くの人が楽しめるからです。

計画するも、梅雨時でお天気が悩ましい

6月半ばくらいからSILEXで林道を走りに行きたい。そう思っていました。しかし、季節が良くない…。でも、中休みもあるだろうし、いけるはず…。そう思って一応は準備していました。

今回の企画はSILEXのセールするためです。とっても面白い自転車なので、もっともっと皆さんに知ってほしいのです。だって、デビューしたのは2018年今流行りのグラベルに寄せていくという雰囲気もあると思いますが、ちょっと違います。SILEXはグラベルロードとはちょっと違う。こちらの方が姿勢もより楽ですし、悪路での走破性も段違いに良いはず。色々なところを走りたい人にはSILEXは向いています。

一旦計画したのですが雨で延期していたのを、実行することにしました。でも、天候はやはり雨のようです。「まあそれもよかろう。とても寒いわけではないし、濡れても着替えればいいじゃないか。湯に浸かる方法もある笑」と考えていました。自転車に長く乗っているので、装備は色々揃っています。もちろんレインジャケットもありますが、暑い時期には不向きです。こんな時は防水仕様の半袖ジャージがいい。そう、そんなものもあるんです。ウォーマーを腕にはめる方法もありますが、そこはオイルで凌ぎます。今回は比較的走ることに寄せた装備なので、Eバイクに乗るときとは違います。Eバイクだと体温もそこまで上がらないので、着るものも変わってきますし、運べる荷物の重さにも相違が出てきます。

案の定、9時前後から雨が振り始めました。最初はパラパラ、段々とシトシト、次第にザーッと笑

雨の時は路面の凹凸に注意し、視界を保つことにも注意します。注意することがとても増えますから、こうなるとGARMIN VARIAレーダーがさらにさらに威力を発揮しますね。あれはもう必須でしょう。26,000円を高いと感じるのは使っていないからで、使えばそう感じません。

道路脇には紫陽花が咲いていて、雨のせいもあって余計にきれいに見えます。紫陽花の色というのは、土壌の性質によって決まると聞いたことがあります。同じ株でも、複数の色が咲いたりしているものもあり、そういうものなのかーと考えながら、雨のライディングを楽しみました。

特別きつい坂もなく、割りと軽快に走ることができましたが、道路脇に流れている川がけっこう気になりました。鬼怒川のあたりは、鬼怒川という名前からも、優しい川ばかりではありません。もう少し北へ行き、南会津にまで掛かるあたりは特に雨量の多い地域です。だから、ダムがとっても多い。ダムと言えば放流ですから、サイレンが鳴ったら…とそれを気にしていました。初めて行く場所は楽しいけれど、危険もたくさんあります。

いくら舗装路とは言え、山の中に入る場合には緊張を伴うくらいでちょうどいい。それはぼくの経験上、思うことです。思うというか、知っているに近いでしょう。やはり、怪我なく、無事に帰ってこそですからね。雨が強くなると、道路脇を流れる川の水の音が大きくなりました。また、道路の分岐の先が水没していたりもし、その緊張はやや高まりを見せます。

走っているとき、運動をしているときというのは利尿作用は収まるのが人間なので、あまりしたくならないはずですが、今回はどうしても用を足したくなりました。仕方がないので自転車を止め、道路脇で済ませます。この間わずか数分だったでしょう。再度出発して走っていると、そろそろ経由地であるダム湖が見えてくるころ…そんなとき、右足にチクッと痛みがあり、注視すると「うわ!?まさか!」のヤマビルでした。まだ、吸血を始めたばかりのようだったので、大きなダメージはなかったのですが、もうそのことでぼくのテンションはめっちゃ下がりました笑

ぼくは基本的に虫が嫌いですし、吸血動物はもちろんイヤです笑
好きなのは魚類と一部の哺乳類、そして一部を除いた両生類と爬虫類ですね笑

「もう二度と自転車から下りないぞ」「ずっと、走っていよう」そう思いました笑

「足を地面につけなければ良いんだ!」

雨になると、出るんですね。関東一円で出るという話は聞いていたものの、本当に遭遇したことはなかったので、いやはや参りました。雨上がりは特に多いですものね。

ダム湖に出る手前のトンネルは、ほぼ明かりがなく、15メートル先が見えません。写真や動画ではiPhoneのちからによって現実とは違う世界が合成されているのですが、実際に見た景色は真っ暗でした。路面もよく見えないので水たまりでもあれば突っ込んでしまったでしょう。いやはやこれはなかなかすごいところでしたよ。

本来の予定では舗装路が終わった先、未舗装路が続くところを探索しようと目論んでいたのですが、こうなるともう無理でした。もしいったら、ヒルの餌食になることは間違いなかったでしょう。というわけでそこで引き返しました。こういう場所は秋冬に来ると良さそうです。MTBは秋冬メインであるのはこういう理由でもあります。

先ほど走ってきた道を引き返し、さて次の探索スポットへ。この先、鬼怒川温泉にかつてあっったとされる赤線地帯の跡地や痕跡を探索する予定でした。さらにそのあと、川治温泉に近い場所にあるトンネルを探索予定だったのですが、ここでトラブルが重なります…。

なんと道路脇に極めて大量の割れたガラス瓶が散乱しました。あまりに広い範囲だったこと、近くに行かないとそれがガラスである確証が得られなかったことから、そのまま踏んでしまい一瞬でパンクしました。しかも前後。「おぉぉ…まいったな」

所持しているチューブは一本だけだったので、そこで終了でした。幸い、駅まで歩いて15分の場所だったため、自転車を押していって、袋に詰め、12時ちょうどくらいの上り電車が到着するまで1時間待ちました。まあ、40年自転車に乗っていればこんなこともありますよ笑

なにはともあれ、SILEXはやはり楽しい

今回は色々なことがありました。でも、やはり結果は同じです。
「SILEXはめっちゃ楽しいロードバイクだった」
ということです。

天候が悪くても、やや無理していったのは、SILEXなら楽しると確信があったからです。

オフロードでもしっかりとして走破性があるのは、昨今のグラベルロードとは大違いです。でも、舗装路が本当に軽快。なにも捨てていない。オンロードとオフロードを両方しっかり楽しめます。

SILEXは一台で何でもやりたい人は最適なシリーズですよ。
https://www.merida.jp/lineup/road_bike/index4.html