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ついにきた!ビッグアップデート!
いやー、来ましたね、ビッグアップデートが!!!ホセが引退し、ガンリタも引退し、チームはなくなり、クロスカントリーにおけるメリダの存在感は、ここ数年下がっていました。レースという場所においては姿を消していたようにみえたのですが、メリダの開発陣は、今のトレンドを掴みつつ、それ以外のフィールドでもずっと開発を続けてきました。
それはまさに、ホセ・ヘルミダが今どのように乗っているか、自転車に乗ることを楽しんでいるかが反映された結果であり、今回のアップデートで「何でもできるBIG.NINE」が生み出されました。
コンセプト
まず言えるのは、新しいBIG.NINEは、「DO-IT-ALL」なハードテールのマウンテンバイクで、ビギナーからプロまですべてのライダーのためのモデルです。林道からワールドカップのクロスカントリーコースまでのすべてをカバーしたバイクがBIG.NINEです。
注目すべき点
「クロスカントリーレースのコース設計は年々過酷でテクニカルなデザインとなっており、世界中で新しいトレイルを開拓して走ることもトレンドとなっています。クロスカントリー的な走りの基本には変わりありませんが、時代に合わせて求められる事は少しだけ変化します」
クロスカントリーというジャンルが変わらずあることを認識しているものの、その中身が少々変わってきていると書いています。以前は登坂で競うようなレースだったところが、下りがよりアグレッシブになってきました。また、登りもよりテクニカルになり、総合力が問われるようになりました。クロスカントリーで勝つライダーも以前のフィジカル重視から、テクニック重視へと変わってきた感じがします。
「新しいBIG.NINEに求められたのは、ヒルクライムでの走りをそのままに、テクニカルなトレイルや、ハイスピードのダウンヒルに備えるための性能です。〜中略〜 新しいBIG.NINEの基本的な構成には変わりありませんが、トレンドに合わせた新しい仕組みや装備が組み合わされています。」
登坂でだるいバイクは、MTBでもロードでもあまり好まれません。特にメリダではその傾向は強くなります。単に重量だけではなく、速く軽快に登るバイクであることはキープしつつ、よりアグレッシブになった下りセクションや天然のトレイルにおいての走破性と安定性をプラスするにはどうすればいいのか、メリダの開発陣はそう考えました。それがいま、トレイルバイクとして求められるクロスカントリーバイクなのではないか?と。
カーボン or アルミニウム
CF5とCF3グレードのカーボンフレームを採用したモデルは軽量で、レースを走るのに適しています。伝統的なクロスカントリーレースから、耐久レース、マラソンクロスカントリーまであらゆる形式のクロスカントリーレースに対応します。コストパフォーマンスに優れたLITEアルミニウムバージョンは、初めてのマウンテンバイクライディングから、ハードな使用にも耐えられるフレームと信頼性を求めるプライベーターのレーサーにおすすめです。トレイルを攻め込む走りにも有用ですし、アマチュアのマラソンレースでも活躍出来る走りを持っています。様々な装備を装着できる多様性と、頑丈な装備で、ワイルドなコミューターとしても活躍します。
トレイルライディングのためのTRモデル
BIG.NINE TRでは、20mm拡張した120mmトラベルのフロントフォークを採用しています。そして、トレイルでの走りに備えたアッセンブルを併せ持っています。フルサスペンションのような重量やコストなしに、トレイルでの下りを少し楽しく駆け抜けたいライダーのためのバイクです。BIG.NINE TRモデルでは、CF3カーボンフレームを採用したモデルと、LITEアルミニウムフレームを採用したモデルが用意されています。ロングストロークのフォークと、深いノブを持つアグレッシブなタイヤ、そしてドロッパーシートポストが標準装備となっています。
新しいサイズと考えた方 〜AGILOMETERサイジングシステム〜
これはおもしろい。クロスカントリーバイクでありながら、ハンドリングの好みや走り方に合わせてサイズをアレンジする要素を取り込んでいます。もちろん、ベテランライダーの多くは、以前からリーチでバイクを選ぶということはやってきたことでしょう。しかし、通常の長さのシートチューブによって、その選択肢は制限されていましたし、リーチだけではなく、全体的に大きなバイクと小さなバイクが生まれてしまいました。
ヘッドアングルを寝かせるとハンドリングはだるくなりますが、新しいBIG.NINEではそうではありまえん。AGILOMETERにはAGILEというワードが入っているようにみえます。AGILEは敏捷や機敏という意味です。METERは計器、計量器のような意味なので、AGILOMETER(アジャイロメーター)は機敏さを選ぶというような意味になるのだろうと思います。
うーん、斬新ですね。速く乗ってみたいです!
「ヘッドアングルを寝かせることで、トレイルではスタビリティと自信を感じることが出来ますが、私達は鈍いハンドリングを良しとはせず、シャープなハンドリングを目指しました。レスポンスがよく、魅力的で楽しいハンドリング、そして悪路では少しだけジェントル。そんなハンドリングを目指した結果、新しいBIG.NINEでは、68°のヘッドアングルが採用されています。従来よりも2°寝かせたヘッドアングルとなっています。BIG.NINE TRでは、ロングトラベルのフォークに合わせて67°のヘッドアングルとなります。」
これを読んだだけでワクワクしますね。「メリダの乗り味の特徴は?」と聞かれたら、ぼくは俊敏なハンドリングであると答えています。それはメリダが考える乗って楽しいスポーツバイクにとって必要だと考えている要素であり、ロードからマウンテンバイクにまで共通した要素として備わっています。しかし、怖いのは違う。そういうバランスの追求が今回のBIG.NINEにはあるということです。
これは日本のMTBライダーにドンズバなのでは?
ここまで読んだだけでも、「今回のフルモデルチェンジが単なるレースアップデートではない」ということはおわかりいただけたかと思います。
冒頭にありますように、フルサスペンションバイク全盛の世の中にあって、リジッドバイクがどうあるべきか、あるいは”生き残るにはどうすべきか”を真摯に真剣に、”トレイルと向き合って”考えた結果、”ごく自然に”生み出されたバイクのようにみえます。
「フルサスは楽しい。でも、重たいし、大げさ。」
これは専用トランポを持たないようなマウンテンバイクライダーや、あるいは輪行を駆使して自走でトレイルを走って楽しむトレイルライダーにとっての永遠のテーマだと思います。
「ONE.TWENTY、あるいはONE.FORTYがほしい、きっと楽しい。でも、それを必要とするゲレンデを訪れる機会は多くはなく、普段はよりローカルでライトなトレイルもあり、また市街地を軽快に走りたい場合もある」
そんな悩みを今回のBIG.NINEは、とくにBIG.NINE TRは、かなり解決してくれるような希望があるようにみえます。できる限り軽量なものが良ければカーボンを、ある程度の堅牢性と低コストを実現するにはアルミを、両方で提供されるのもすばらしいですし、完成車のパーツアッセンブルがとてもいいバランスにみえます。
かなりの期待ができるバイクだと思いますので、発売時期はまだ先のようですが、ぜひ実際に試乗をしていただき、今回の完全に新しくなったBIG.NINEを体感してみてください。
そして、ご予約はお早めに。
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