[コラム] メリダのロードバイクの耐荷重とは

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ロードバイクは華奢なのか

ロードバイクは何キロくらいの体重まで耐えられるのでしょう?そんな疑問を思い浮かべたことがありますか?あるいは、MTBの方が重たい場合には適しているのではないか?などとも考えたことはありませんか?

また、ハイエンドバイクは壊れやすいのかも?という疑問を持ったこともあるでしょうか?これについては、ネットによくあるような言葉を参考にして、壊れやすいものだと思っている方が多いのではないかと思います。

ここには大きな誤解があるように思います。

ロードレースにおいては、まずレーススピードが大変速いです。もっとも速い場合、時速100キロに達する場合がります。また、選手は細身で体重が軽い印象があると思います。しかし、それは一部の選手に限ったことです。とくにグランツールで総合優勝するような選手の印象が濃いのでしょうけれど、多くの選手たちはそこまで軽量ではありません。中には80キロに迫るような選手もいます。それは得意にするレース環境によってことなりますし、対応する脚質にも表れます。選手たちの出力もたいへんなものです。

また、そのような選手たちが毎日のように厳しい練習を行い、更に厳しいレースを走り、年に数回は転倒をするような環境で利用される道具がすぐに壊れてしまうような耐久性しか備えていないと考えるものでしょうか?むしろ、価格の高い製品ほどより高い耐久性を備えている場合は少なくありません。そうでないとレースを戦えません。

メリダの考え方

SCULTURA TEAMのトータルウェイトは、なんと120kgに設計されています。レースバイクですよ。選手たちが使っているのは特別仕様ではなく、まさにこのバイクです。新城幸也選手も乗った、ツールでも走ったバイクです。メリダではトップクラスのレースでコンサバティブな組み方をして最低重量である6.8kgを下回るような自転車に仕上げる必要はないと考えています。

もっと軽くできるというポテンシャルはあるとわかりますが、それを販売時のインパクトに利用するのではなく、購入したあとレーサーやユーザーが必要だと考える性能へ割り振っているということです。

以前のSCULTURAと比較して何グラム軽くなっているかも大切ではありますが、さまざまな性能を高い耐久性をともに、かつリーズナブルな価格で提供することこそ、メリダの使命だと考えています。 クオリティの高い自転車を作ることは、メリダの創業以来の使命です。

REACTOのCF5もCF3も同じように120kgまでのトータルウェイトで設計されています。メリダのホイールは重たいだのとネガティブポイントだとアピールされる方は、メリダ取扱店の方にもいらっしゃるのですが、メリダではある一つの項目だけを性能だと考えていません。総合力で優れていることを目指しています。

なお、レーサー系ロード以外のバイクにはトータルウェイトの表記はありませんが、同等あるいはそれ以上の耐久性を備えていることは自明かと思われますので、安心してご利用いただけます。 ある国内チームのメカさんが言ってました。「メリダは落車しても折れたことがない」と。

ロードバイクの耐荷重がはっきり提示される場合、それは従来であれば、超軽量バイクについて明示される事が多くありました。つまり、「あまり重たいのは考えてないので勘弁して」という意味です。実際、70キロやそれを下回る場合も見たことはあります。これはライダーの体重ではなく、すべての荷重を合計した重量のことなので、サドルバッグの中身やライトやサイクルコンピュータなども含んだ重量のことです。

過去の記憶ではありますが、カンパのトップモデルは109キロくらいの設計だったと思いますし、100キロを超えるような想定をはっきり提示したレーサーフレームはぼくの記憶にはありません。

どのメーカーも同じではない

一時期はとくに、なおもいまだに「カーボンは弱い、割れやすい」と言われることがあります。しかし、このような耐荷重表記はトップレベルの性能を発揮し、十分に軽量で、なおかつ耐久性が素晴らしい製品を生むことができるということの証明になると思います。ただそれはどのメーカーにもできることではなく、素晴らしいクオリティとそのコントロールがあってこそだということを強くアピールしたいと思います。ともするとこういうことまで素材論で語られがちですが、大事なことはこれも人が作っているということだと思います。今後とも、メリダ製品の良さをより多くの人に知っていただけるよう願っています。