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先日こんなことがりました
まずこれは、お客さんを責めたり攻撃するものではありません。もし、同じ認識の方がいても同じです。SNS以降、こうしたディスクレイマーを入れないと面倒な時代になりましたけど、まあ仕方がないことです。文章の受け取り方は様々ですし、うっかり当事者を傷つけてしまった場合には自分が意図しない結果になったとしても謝罪するしかありませんから。
というわけで本文はここから。
新品のタイヤに履き替えて1度目のサイクリングでパンクしたお客さんが「1時間経ってもパンクした穴が塞がらない。シーラントがおかしいのでは。」と言われました。ぼくは最初、温度や湿度による影響では?と言ったものの、そうした根拠はありません。タイヤ側の問題?などと考えてみたりもしましたが、わかりません。
結論は「わからない」です。
最近はロードバイクでのチューブレスレディの広がりによって、タイヤシーラントを利用する方が増えました。製品の種類もたくさん増えましたし、販売するお店も増えました。ほとんどすべてのお店で扱っているのではないかと思います。しかし一方では、販売したいという背景が原因の1つになったり、SNSがそれを曲解させたりすることで、シーラントに対する認識に誤った内容が見受けられるようになりました。
シーラントはパンク防止剤ではありません。タイヤシーラントはチューブレスタイヤをタイヤとリムの嵌合のみで実現できない場合が多くなったことで、その間を取り持つケミカル用品として登場しました。それがチューブレスレディです。タイヤの中に残ったシーラントが液体の状態の場合、タイヤに空いた穴を塞いでくれる場合があります。
しかし、シーラントはパンク防止剤ではありませんし、必ず穴を塞ぐソリューションではありません。塞がったり塞がらなかったりし、でも何となく帰って来れることがメリットであり、そんなもんだと認識していただきたいと思います。そういう製品だからです。何事にも根拠がありそれを探れば解決策が必ず見つかる。より良い製品があるはず!と考える人は最近多い気がします。シーラントに関してもその傾向はあると感じますが、どれも一長一短があり似たり寄ったりなので、たくさんの製品がリリースされています。これも何度か書いていますし、接客でも頻繁にいいますが、「どれも似たりよったりなのでたくさんの製品が発売されます。また、そこから抜け出そうとするユニークな製品も定期的にリリースされます。しかし、そのユニークさが有効で完璧なソリューションであることはほぼないので、それは消え、別のユニークが登場します。その繰り返しになります。」ということです。
大切なこと
ぼくは以前にも書いたようにぼくは入手性を大切にするので、ユニークさより無難さを重視しています。たまに出てくる「これまでの常識を覆す」「既存の発想にとらわれない」などというキャッチーさをアピールしてはしばらくすると消えていく製品ではなく、いつもそこにある製品をおすすめしています。
大切なのは製品の特性を理解し、使い方を理解し、許容度を広くとることだと思います。また、正解はひとつではないと思います。
ゆるく考えよう
ひらがなで書くとちきりん(荻上さんじゃない方のちきりんがいることを今知りましたが)っぽさがでますが、特に彼のファンではありません。むしろ逆かも笑
世の中のあらゆる事象について、あらゆる結果には必ず原因があり、それが解明可能であり、解決することができるわけではないと思います。むしろ、どうやっても解決できないことや、偶然によって起きるような場合がほとんどではないかと思います。子どもが生まれるのも偶然ですし、お金持ちに生まれるかどうかも偶然。あなたが自転車を好きになったのも単なる偶然だと思います。だから世の中はおもしろいのだと思います。
サイクリング中になにか思いもよらない事象が起きた際、犯人探しをしはじめてもあまり楽しくはなりません。気持ちはとても良くわかります。自分の意図した結果がでないことは残念なことです。もちろん、そんな事例がほかにあるのでは?とSNSやウェブで検索してみたりすれば、他のもう一件、あるいは多く(みえる)事例が見つかるのだと思います。そうすると、それは根拠として認識されたりすると思いますが、そうではないでしょう。あるいは、自分だけに事象が発生した場合、余計にイライラしたりし、自分は運が悪い人間だと思ったりしてしまうかもしれません。
しかし、「運が悪かったんだろう」と悠長に構えているくらいがいいのではないかと思います。意外とそんなものです。そこから何年か、あるいは長い時間が経過したのち、思いもよらないかたちでその時の原因の一片が見えてきたりするものなのではないかと思います。