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目次
チェーンの錆びやすさは製品ごとに異なる
ぼくは開業した当初、素直にシマノチェーンメインで在庫していたのですが、今ではすっかりKMCメインになり、かつEPTチェーンをメイン在庫にしています。あくまでメインなので、やすいものも用意はしていますが、費用対効果を考えるとEPTがオススメです。
塩水噴霧試験に650時間耐える
KMCのEPTチェーンは防錆加工済みのチェーンです。特殊な防錆工程を経たチェーンは、なんと650時間もの塩水噴霧試験でも錆びないという驚くべき性能をうたっています。塩水噴霧試験のはいくつかの種類があります。カタログにおける塩水噴霧試験がどれを採用したのかぼくは調べていません。また、その試験と今回の試験のようなものはまったく関連性はありません。参考になればというくらいで理解してください。
実際にテストしてみました
実際にEPT加工を施したチェーンを使用するにあたっては、まったく錆びたという経験がありません。今回は、JISの試験はできませんが、手元でできるかんたんな方法によって、各メーカーのチェーンとKMCのEPTチェーンとの相対的な錆びにくさを比較することにしました。
比較するのは4種類
・シマノ デュラエース
・カンパニョーロ(11S)
・KMC ゴールド
・KMC EPT
特に深く考察した4種類ではなく、偶然手に入ったものをそのタイミングで並べただけです、すいません笑。でも、まあ比較するには悪くない感じだと思います。
塩水は水道水に2.5%くらいの塩を溶かしたものを用意しました。そこにつけっぱなしにし、時間経過とともに様子を伺いました。
結果
24時間くらいまでは肉眼で視認できるような以上は見られなかったのですが、30時間経過したあたりでシマノに錆びが見られました。ピンとプレートの境目あたりから錆びました。ぼくの印象では、シマノがもっとも錆びやすかったので、やはりという結果です。続いて、40時間ほど経過した時点からカンパにも錆びが見られるようになりました。こちらはローラー部から錆び始めるようです。KMCの2本に表面的な変化は見られないが、ゴールドに関してはリンクの動きがやや渋くなったように感じました。ゴールドをカットしてバラしてみたが、錆はなかった。48時間経過すると、シマノは完全に錆びが広がっていて完全にアウト。カンパもそれに準ず。KMCのゴールドに関してはピンやローラーに錆びが見られ始めた。やはり40時間経過したあたりでの動きの渋さは、この予兆だったのだろうか?
EPTチェーンは錆びなかった
その後2日ほどつけっぱなしにしておいたのだが、KMCのEPTチェーンに錆びが発生することはありませんでした。ステンレスの容器と反応したのか、プレート表面にまだらな変色がみられたものの、それ以外の目立った変化はなく、塩水から引き上げたのち、再度潤滑油を塗布したところ、問題なく動くという結果を示した。
なんとまあ。
信頼は確固たるものに
というわけでして、ぼくのEPTチェーンに対する信頼は確実なものへと変化しました。錆びないことがすべてではないのは十分理解しています。シマノチェーンでの変則の滑らかさに関しては、良好ではあると思う。KMCチェーンでも変速は好調であり、味付けが違うという感じだと思います。まあ、好みの差でしょう。変速が好み程度の差であれば、ずっと使っていると慣れてくるでしょうし、多少ケアが疎かになってしまったとしても使い続けることができるKMCのEPTチェーンを選ぶメリットはあると思います。多少チェーンが錆びても使い続けることは状況によっては可能ですが、変速性能はずいぶん落ちてしまいますし、シマノを利用する相対的な優位性は目減りしてしまうでしょう。同じシマノにおいてのデュラエース未満のグレードに関しては、変速性能が特別秀でているわけでもなく、錆びやすさは同等がそれ未満である場合、特に選択すべき理由を見つけることは難しそうです。単に「同じグレードである上で、価格が安い」ことでしょうか。しかし、シマノの低グレードチェーンの使い道は通勤・通学や移動でしょうから、むしろEPTチェーンを使う場面として最適に思えます。というわけで、あらゆる場面でEPTチェーンを選択するメリットはあるのではないでしょうか。
なお、KMCのEバイクシリーズチェーンにもEPT加工が施されています。その上でカタログ上において7,500kmもの走行可能距離がうたわれています。プレートは肉厚に、ピン強度も大幅にアップさせ、従来品と比較して引張強度はなんと3倍。E-BIKEに特化したチェーンです。特許取得のリベット技術により最強のピンパワーを備えています。さらにサビに強いEPT 仕様ですから、過酷な状況でも最高のパフォーマンスを発揮します。モーターの負荷がかかり続けたり、汗などで錆びやすい環境となるインドアトレーニングにもオススメですし、メンテナンスの負担も軽減されるので、通勤・通学自転車などにも最適だと思います。
番外編
同じくらいのタイミングでテストをした方のポストも載せておきます。やはり錆びなかったようです。