グラベルを走るためのぼくの選択 「シューズ」

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LAKE MX177
25,850円


「ガラス繊維とナイロンの複合素材による『LAKE RACE』をミッドソールに採用。剛性係数は7.0と足に優しく、エントリーユーザーのツーリングから中級者のレース参加まで幅広くカバーします。ラグ(トレッド)素材であるノンマーキング(床に跡を残さない)天然ラバーの要所には高グリップ性素材『IceLock(アイスロック)』が配置され、滑りやすい路面でも安心して歩くことができます。SPD仕様。世界で初めて本革の繊維構造を模した人工素材であるクラレ社の『クラリーノ』をアッパーに採用しました。硬く伸縮性のない合皮とは異なり、まるで本革のようなしなやかなフィット感と本革に勝る軽量性を両立しています。」(代理店のカタログより)

MX177はとてもバランスが良いシューズです。ぼくは上位モデルとの使い分けをしています。グラベルはMX177、シクロクロスやMTBレースではMX237という具合です。なお、ロードバイクではCX273を長年愛用しています。グラベルレースで使う場合にはカーボンソールのシューズでも構わないと思います。それはシクロクロスと同じです。シクロクロスにはレース以外のジャンルはありませんが、グラベルはもっと守備範囲の広いジャンルです。MTBに寄りすぎて柔らかすぎてもいけませんし、硬すぎてしまうと疲れてしまいます。アウターソールにもグリップの向上を目的にした素材が利用されており、これが効きます。

シューズアッパーにはクラリーノを採用しています。クラリーノとは、化学メーカーの(株)クラレが製造する人工皮革のことで、コラーゲンが絡み合った天然皮革をモデルに作られています。ソフトでしなやかでありながら、丈夫で雨にも強いという特徴を持つ素材です。わかりやすく言えば、本革のように機能する人工皮革です。一般的な合皮の場合、表面のテクスチャは本革と同じようになっているものもありますが、実際の構造は本革とまったく違います。伸びがなく、硬く、通気性もたいへん劣ってしまう素材です。それに対してクラリーノは馴染みがよく、軽量で、耐久性もたいへん良いので、日本ではランドセルにも古くから利用されてきました。LAKEの本革モデルは足馴染みの良さ、耐久性、通気性の良さが大きな特徴ですが、それにかなり近いシューズを作ることができています。

MX177にはBOAダイアルが1つしかありません。BOAダイアルの数が、1つより2つ方が良く、すぐに望みのフィット感を実現できるのは間違いありません。その点はMX177の欠点ではありますが、用途がレースでなければ気にならないでしょう。むしろ、足を通し、ペダリングしつつ馴染んでいき、増し締めしていく過程は、その日のサイクリングの一部として楽しめると思います。

その上で、現在販売されているシューズメーカーの中で最も幅広なのではないかと思うLAKEは、ぼくの足にピッタリフィットします。その上で指の凹凸に合わせて馴染んでくれるので、長時間でも履いていることが可能です。本当に快適。ほぼすべてのメーカーのシューズを自分で買って試してきましたが、LAKEはぼくのサイクリングシューズの終着駅です。

総合的にみて、MX177はグラベルサイクリングに最適なシューズだと思います。また、オンロードサイクリングでも、ツーリングに使用するようなケースにも適しています。一方レースには不向きだと思います。レースで使うにはミッドソールのしなりが大きく感じ、ロスが多くなります。BOAダイアルも2つがよく、締付けの調整がしやすい上位BOAダイアルの方が良いと思います。