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チャイナブランドのフレームは折れやすそうですね。実際に破断しているケースを見かけるとそう思います。形をコピーすることはできても、メリダのようにそこから乗り味を調整つつ、耐久性を最低限以上に上げていく開発コストをかけていないのでしょうね。
「製品の価格を下げるには利益を削るんだ」と言っているメーカーがあれば、それは嘘をつきすぎでしょうね。自転車のフレームでいえば、価格を下げるには開発費用の削減が有効です。メリダでは1つの製品の開発に、おおよそ2〜3年もの時間をかけます。チャイナブランドではおそらくよくて数ヶ月ではないでしょうか。人件費もかけていては安くできませんから、実際に開発しているというより、デザインして”最低限度の”強度が出れば開発終了なのだと思います。
形は今っぽく、重量もそれっぽく、しかし乗り味まで調整するコストはかけていないでしょう。メリダでは、ロードバイクの製品化に際しては10数回ものプロトタイプでのテストを繰り返します。テストには性能はもちろん、乗った感触に加えて、耐久性や強度もテストされます。そこまでしっかりと開発した製品が相対的に低い価格で販売されているのですから、「自転車に詳しくない人も、詳しい人もメリダを買うべき」だと言わざるを得ないでしょう。
「強い力がかかれば折れる可能性がある」のは確かながら、想定以上の力がかかった際にも折れないようにする技術や性能までメリダは考えてます。「折れても代理店やメーカーがカバーしてくれる」は一見良いように感じますが、「そもそも折れない方がいい」という考えの方が正しい製品だと思います。
「メリダはなぜ折れないほうが正しいと判断するのか」、それはユーザーや競技者のニーズを真摯に考えているからです。折れたら試合やイベントは終了、怪我をする可能性もあります。 国内チームでも国外チームでもメリダのフレームが転倒時に折れたというは聞きません。ぼくは知りません。もし、あったとしても、他メーカーより確実に少ない。もちろん、交通事故は論外です。特にシクロクロスで破断するケースはカーボン同様に引張強度の強いはずのスチールでも見られますが、毎回「え?」とぼくは思っています。ぼくの30年以上の経験上「交通事故以外で折れことがあるの?なぜ?」と。しかも、そういうケースでは「え?そこがそっちに折れる(割れる)の?」という場合が多いですね。ありえない方向に、あり得ない部分が割れていたりします。だから、ぼくらはそれらの写真をみて「怪しいな」「危なそうだな」と思うんです。
メリダでは必要以上の軽量化をしていませんが、その理由は今回書いたことが大きな理由の1つです。また、流行りの、あるいは目立つ形状を製品にする際、そうした耐久性へのユーザーを主体とした考えもまた、過剰な軽量化ができない理由です。「過剰に軽量な製品はリスクを承知で買うもの」という考えもあるのはわかりますが、先ほど書いたように「ユーザーのサイクリングにおけるQOL向上」を目的とする場合、サイクリングが中断してはならないというユーザへの想いの方が強いのです。 みなさんはどちらの考えと一致しますか?あるいはどちらの製品を良いと思いますか?ということです。