DT SWISSは値下げになりました

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代理店の変更

先日より、DT SWISS完組ホイールに関する代理店が「株式会社マルイ」より「DT SIWSS JAPAN」へと変更になりました。マルイさんは大きな代理店さんで、TOPEAKやMAXXISなどを取り扱っています。DT SWISSも他の代理店より引き継ぐ形で数年前より取り扱っていただいていたのですが、その完組ホイールのみがDT SWISS JAPANへと変更になりました。ハブ、スポーク、その他部品や完組ホイールのアフターケアは引き続きマルイさんから提供されます。

流通経路の改善と価格改定(値下げ)

DT SWISS JAPANは、ORBEA JAPANと似たかたちで、大きな倉庫を国内ではなく、製造現場に近い台湾に置き、流通在庫を減らしつつ、デリバリータイムラグの延長をできる限り抑えるという流通経路へと改善を図りました。結果として、流通コストを削減することができ、小売価格を下げる(15%前後)ことができました。

国内通販サイトより安くなりました

以前ですと、海外通販や国内通販サイトから購入される方もいらっしゃったのですが、国内価格の改定により、国内正規販売店から購入いただくほうが安くなりました。もはや、通販で買う意味はなくなりました。

例えば、こちらのサイトは価格面での優位性がなくなったり、あるいは不安定になったことで現在は稼働していないようで、「現在休止中」となっています。ハッキリ申し上げて、価格優位性がある瞬間だけ売り、売れなくなったらすべて停止とは都合が良すぎるのではないかと思います。まさに売り逃げですね。ただ、基本的に実店舗を持たずに通販のみで展開するということは、閉鎖コストと持続コストの大幅な低減が目的のひとつです。通販で購入するということは、購入元がこのようにカジュアルに無くなるということですので、アフターサービス面でのリスクについて自覚を強めておいたほうが良さそうですね。

DT SWISSジャパンと正規取扱店(当店のような店)を経由して購入いただいたDT SWISSホイールは、すべて株式会社マルイ、DT SWISS JAPANとすべてのDT SWISS 正規取扱店よりアフターケア・サポートを受けることができます。

なぜ、当店はDT SWISS がイチオシなのか

ぼくのイチオシホイールメーカーはDT SWISSです。

なぜなら、ずっと以前から、また今もたいへん良質なホイールメーカーだからです。高い信頼、高い品質、高い性能をずっと以前から継続して提供しています。だからこそ、多くのOEM製品を作っています。

多くのホイールメーカーは、完組ホイールのハブにDT SWISSを選びます。あるいはOEM生産品の場合もたいへん多くあります。それはなぜでしょうか。まさに信頼、品質とその継続性以外に理由はないでしょう。ハブが大切なパーツであることは言うまでもありません。

スポークメーカーとしてもはるか以前からトップメーカーの一つでした。しかし、最近はサピムを用いることが増えました。ホイールを感覚ではなく、数字やデータ・スペックばかり重視して買う方が増えたこと、リムへのカーボン採用が多くなり、張力の強いスポークが必要になったからというのも大きな理由だと思います。スポークは「引っ張りに対して強ければ良いスポークである」との認識が通っているようですが、ぼくはとても不思議に思っています。もしや、最近ホイールを組み始めた人びとは、ディスクブレーキ専用リムやカーボンリムばかり組んでいるから、硬いリムしか知らないのではないか?と思いました。硬いリムは強いスポークで組むしかありません。スポークが負けてしまいます。しかし、ある程度ゆるいリムはいろいろな組み方ができますし、そこまで強いスポークを必要ともしません。フレームと同じで、強い人には強いホイール、そうではない人には硬すぎないホイールの方が、ペダリングの感触はより良くなると思います。「軽ければ同じだろう」というのは、ぼくは違うと思います。

スポークブランドとして「SAPIMなら間違いない」と言い切りやすいのです。ある完組メーカーの代理店さんは「PILLARでも十分に性能が出るけれど、価格上昇がわずかなのでSAPIMにしました」と言っていました。そのホイールを実際に使ってみたのですが、剛性が高すぎてぼくには重たく感じました。ホイールを広告する際、感触は軽視されるようになってしまった結果でしょう。

ホイール選びはスペック・データ重視になりました。これは、以前は重量などのデータを気にしていなかったのではなく、通販で購入したりすることで、会話を経て購入することがたいへん少なくなったからだと思います。ディスプレイ越しにテキストで説得したり、YoutubeでPVを稼ぐには、データやスペックが優れている方が使いやすいのは当然だと思います。つまり、ウェブ上でどれだけインパクトを与えられるかが、その製品のセールス成績に大きく影響するようになりました。結果として、”ホイールメーカー”は弱くなり、”カーボンホイールメーカー”が強い時代になりました。「カーボンではないと売れないし、意味がない」からです。

新興メーカーのほぼ全てはカーボンホイールメーカーです。アルミホイールをラインナップに持たないほうが、セールスとして効率的であり、合理的であり、初期投資も少なく済みますし、それらの持続性も高くなります。ビジネスとして頭が良い方法だとは思いますが、サイクリストの一人としては「使いにくいホイールが増えてしまうな」と思っていましたし、やはりそうなりました。世間では「アルミは重たいし、コスパが悪いし、必要ない」という意見があまり違和感を抱かれず浸透しているようですが、ぼくには疑問が浮かびます。本当にそうでしょうか?それぞれに必要性はあるのでは?ニーズによるのでは?と。

DT SWISSはリムも大変良いものです。MAVICと並び、DT SWISSは大きなリム供給元でした。リムも”まず軽さ”ではないと思います。重量も見ますが、そもそも剛性が問題です。剛性についても、「硬い方が良い」とされる意見もあるようですが、違うと思います。なお、軽いリムは素材と作り方ゆえ硬いリムになることが多くなります。

「10万円近くするアルミホイールを買うなら、同価格で買えるカーボンホイールの方が良い」というのは、コスパ派にとってただしい意見でしょうけれど、なん十年も自転車に乗って、ホイールを組んで、それらをいろいろと組み合わせて使ってきた経験から言えることは、「バランスほど大事なものはない」ということでしょう。

それは自転車にとってのホイールとのバランスだけではありません。自転車は人が乗ってペダルを漕いでこそ自転車です。つまり、あなた自身の性能や精度も、全体のバランスを構成するパーツとして無視してはいけないだろうと思います。単なる数字ではなく、良い感触と気持ちいいサイクリングを目的とされるのであれば、ぼくのような意見にも耳を傾けてみる価値はあると思います。

ご注文をお待ちしております

というわけでホイール購入のご相談、あるいはご注文をお待ちしております。