まずはこのモデルからロードを始めて見ませんか?

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メリダの2013年モデルロードバイクの中でビギナー向けにダントツお買い得な一台がこれです。

「ちゃんと走りたいビギナーさんはこの一台からロードを始めてみませんか?」

まず仕様を確認。カーボンフレームにTIAGRAが搭載されて145,000円。
安いです、確かに。でも、安いだけでオススメしているわけじゃ無いんです。

当店では当モデルを試乗車としてご用意しております。現物をご覧になりたい方、乗って確かめたい方、御来店下さい。

上位モデルの905Eまで同一フレームですから、この901でも後々Di2を内蔵式で搭載することも可能です。バッテリーマウントはチェーンステイ下にあります。

先日行われたディーラーキャンプ、コースはほとんど平坦が無い上り下り中心。平坦での状況が確かめられない反面、上り下りでの得手不得手は否が応でも丸出しになります。

まず、お断りをしておかなくてはならないことがあります。

「あんな事書いちゃっていいんですか?」と言われたこともありますが。ぶっちゃけますよ(笑)

フレーム価格は11.7万円、これはとても正直な価格設定と言えます。

同様の作りになっているフレームを採用している完成車メーカーの中では、ティアグラ搭載モデルを用意せず、105からの設定にし、それを22~25万程度で販売しているメーカーも多いでしょう。

例えば、同じ名前のままにフラグシップモデルをトップダウンさせる手法です。同一モデル名のままセカンドモデルへ移行させ、フレームのコストダウンを行うことでフレーム単価を下げ、そこへ105を搭載し完成車へ。カラーもチームカラーだったりするとうれしいですし。それらは105搭載で25万、アルテやベローチェ搭載で35万、アルテDi2なら40万弱が相場でしょうか?

それらの完成車価格から逆算したフレーム価格を付ければ、完成車は非常にお得に見えてきます。それらの完成車ならフレーム単体価格は恐らく、20万円強に設定されるはずです。フレーム単体では売れない価格ですね、恐らく。

完成車の方がお得なのがメリダも同様で、それは完成車ゆえなのですが、フレーム単体で売る気があるかどうかはそのメーカーの心意気?が表れますね。

ちなみに、SCULTURAの場合、EVOは30t、PROは40t、SLは46tをメインに使用しています。”メインに”というのは他の繊維もミックスするということです。某メーカーさんの60tも使用量はホントにごく一部なのですが、それだけで大きな効果があるのがカーボンフレームなのです。

ただ、それほど高弾性の繊維を使う必要はないとメリダは証明しています。コストと効果のバランスというのがあり、例えばテレビでもあるサイズ以上になると急にお値段が高くなるでしょう。自転車でも同様です。メリダでは良いバイクを安価に提供したいが為に、そのバランスにも気をつけています。

メリダは”安く作ったものを安く売る”メーカーではないんです。

メリダはクオリティコントロールに大変気を遣っています。

他メーカーでは100本以上の単位で生産するロット数をメリダでは20本に絞って生産を行っています。世界で1位2位の生産量を争うメーカーで、です。フレームにエラーが発見された際にはその単位で破棄されますので、不良品を非常に少なくし、クオリティコントロールをしっかりと行うことが出来ます。

また、ペイントブースは世界有数の規模を誇ります。それはもはやブースというより工場。某イタリアメーカーのように、デカールを貼って箱詰めする倉庫の中に1人しか入れないペイントブースがぽつんとある状態とは全く世界が異なります。工場内はブースまでが2重3重の扉に守られ、空気中のホコリなどが入らないように完全に管理されています。この様な規模でのペインティングはメリダでしか行われていません。実際のバイクを見て頂ければ、ペイントクオリティの高さを実感していただけると思います。

私たちディーラーでは色々なメーカーの自転車を組み立てます。私も独立以前には現在扱っていないメーカーの完成車も組み立ててきました。しかしながら、そのクオリティは落ちる一方。以前なら、堺にある完成車組立専門メーカーで組み立てられた完成車が多くあったのですが、今やそれもほぼ無くなりました。コストが掛かるからです。その代わりフレームを生産する国での組立に変わりました。そこのクオリティが低いんですね。通常、箱詰めされたまま開けられることは無く、私たちディーラーまで届きます。今や自転車を組めないメーカー営業さんが増える中、それらの話題を実感して頂くには困難。我々ディーラーの意見がメーカーまで届いているかどうか…

メリダに関してこの点には大変満足しています。某メーカーで聞くようないわゆる”ニコイチ”もありませんし、ペイントの不備に関してもほとんど起こりません。もちろん、”ゼロ”では無いと思います。

さて、ここからはフレームの乗り味のお話。

同一フレームである905Eにも試乗しましたが、乗りやすさが目立ちました。0〜30キロくらいまでの加速はスムーズなのでビギナーでも脚を溜めやすいでしょう。また、僕ら一般ライダーが単独で出せる速度域ではまず不満を感じることは無いはず。フォーク剛性も十分で弱いなとは感じません。むしろ上位モデルのSL TEAMが強烈なだけ。

SL TEAMに乗ると、なるほどEVOのレスポンスはその弟分なんだと実感させてくれますが、SL TEAMのどんなアタックにも反応できそうなレスポンスや、ブレーキング時の制動力に耐えるフォーク剛性は丸めて抑えられ、扱いやすさが前面に出てきます。集団のペースを乱したいアタッカーには剛性不足かもしれませんが、200キロくらいまでをシャキッとファストライドにはとても面白い。しかもこの値段で。

上位のPROとSL TEAMとを比較すると面白いです。PROは前三角はカッチリ、でもリヤに溜めて進む感じ。いわゆるちょっと昔のレーサータイプ、だから試乗したディーラーさんの間での評判も上々。SL TEAMはダウンチューブの張りをより感じますし、リヤもPROより反応性が早い。だから、ペダリングのリズムも早くした方がベター。PROをデチューンせず、SL TEAMの味をほのかに感じさせる辺りがEVOが良い塩梅になっている秘訣なのかも知れません。

あくまで僕のサイズでのフィーリングですが、腰高感を少し感じました。サイズが異なる場合には感じ方も異なるので、大きい方は分かりません。例えばドイツやべネルクスで最も売れるMTBのサイズは19と21、日本では年に1本出るかどうかのサイズです(笑)。ですが、ヘッドスペーサーを余分に入れないこと、それとステム長を少々長めに確保することの2点でカバーできる範囲ですし、「MERIDA LOVES COMPETITON」というワードにありますようにレーサーであることの主張でもあります。”じゃじゃ馬”というほどでは無いのでご安心を。

EVOであれば、上位のPROやSL TEAMと違ってヘッドチューブを10ミリ長めに設定しています。ゆえ、スペーサーを余分に入れずに乗ることも出来るでしょう。徐々に下げていき、目的の用途に合わせて設定すれば大丈夫です。

この価格帯のフレームはどうしてもその価格を実現する為にコストダウンをしなくてはなりません。しかし、カーボンフレームというのは価格設定の正しさが見えにくいのは確かですから、完成車やフレームの価格設定いかんによっては価値を上げることも可能なのです。

しかしメリダでは正直な価格設定にしています。これは上位モデルまで全て貫かれている点で、メリダの”売り”の一つでもあります。SL TEAMでも269,000円で買うことが出来ます、プロツアーモデルがです。

お買い物をする場合には前回より高いものにより高い価値を感じ、それを買うのが普通ですが、メリダに関してはそのようにならないかも知れません。

ゆえ、今回ご紹介しましたSCULTURA EVO 901はティアグラ搭載で15万円を切る価格なのですが、”単なる安物では無いかも?”と思って頂けたのでは無いかと思います。

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